娘の小葉に対して、自分のことを「パパはね…」と表現するようになりました。
父親になることをあんなに怖れていた自分がいつの間にか消えてしまったように思います。
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1度目の結婚では、取り組めなかった僕の人生の課題がありました。 それは「自分の父親を認めること、そして自分が父親になること」 でした。
お互いを傷つけ合う両親を見ていて、 「愛し合っていないふたりから、どうして僕は生まれて来たのだろう?」 と子どもの頃によく思いました。
寛子との出逢い、そしてお互いを研磨しあうような関係はその過去の痛みを成長に変える必要がありました。いつまでも自己憐憫の海に浸かっている場合ではなかったということですね。
お互いが成長しあうことで僕たちの関係は成り立っていると感じます。 二人三脚のような気持ちです。
自分のことをパパと呼ぶようになったのは、僕自身がパパであろうと「パパスイッチ」をON にしたからです。
マタニティ期、寛子はどんどん変化する中、母親としての絶対的な意識を育んでいきました。
女性が母になるということは、僕が想像できないくらいの覚悟なのだと今、振り返ってみても思います。
そして、小葉が生まれ、育っていくに連れて寛子の母親としての強さはみるみるうちに増していき、その姿を見ている僕は恥ずかしくなるくらいでした。
実際、今でも恥ずかしいという感覚があります。
比べることではありませんが、寛子との親としての意識に対して、あきらかに僕のほうが浅はかと感じざるをえないのです。
AQUA MIXT に集まってくれる方々の中には、新米パパ・プレパパもいます。
お会いしてランチをご一緒するような機会では、自分たちのパパとしての姿を振り返りました。
新米パパの葛藤や弱さ、情けなさ、浅はかさ…などを共有しました。
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その場は、パパ同士が勇気づけあい、覚悟をする機会にもなりました。
僕なりにその場で帰着したある考えは、
「僕は自分でパパになろうと積極的に子育てに関わらないとパパになれない。」 というものでした。
積極的に子育てに関わることでパパとしての自覚が養われていくという思いです。
女性のように逃げ道がなく、背水の陣で子育てに臨むのとは違い、男性には逃げ道がいくつかあります。
仕事がその逃げ道になってくれる要素かもしれません。
ありがたいことに僕の場合、家で仕事をしているのでその逃げ道は断たれています。
有無をも言わせずにデフォルトで設定されています。
逃避癖のある僕にとっては神の計らいでした。
そして、「家族」をひとつの単位として、その「家族」をどう運営していくかという意識を夫婦ですりあわせすることが多々あります。
おかげで僕にとっては積極的に子育てに関わる状況が出来上がっていました。
もちろん、そのことで僕が学ぶことも、人生からの多くの恩恵もあります。
小葉の成長に関わることで僕の過去は次第に癒され、父親であることを自分自身が受け容れられるようになっていったのでした。
そして、自然に自分のことをパパと呼ぶことができるなんて、数年前には想像もしなかったことです。
とてもありがたい人生からのプレゼントです。
しかし、子育てに関わっていると感じるエアスポットのような状態があります。
「母子の繋がりの強さと自分」という孤独感です。
パートナーシップという絆はいつの間にか母子の繋がりに駆逐されていくような気持ちになります。
我が家では「潤治、長男状態」と言って揶揄しています。
寛子からはふたりの子どもがいるような感じでしょう。 母子の繋がりの前に、僕はひとりでのっぴきならない不安に駆られるわけです。
僕の存在はとても場違いなのではという孤独感とも言えるかもしれません。
そういった僕自身に湧き起こってくる感情をきちんと観る必要があるとしばしば思います。
その内省を通して、本当の自分を知り、その自分を認めていくのですが、いかにも「育メン」として子育てを積極的に楽しんでいる男性を装ってもその孤独感は埋まりませんでした。
それを認めてくれるのは、妻である寛子であり、娘の小葉のふたりです。 その承認を外に求めることは、孤独感を募らせるだけでした。 そのためにはそう長い期間でなない育児の時間を家族で取り組む必要があると感じます。
パパとして積極的に関わることでその自覚を自分で育てるとも言えます。
パパスイッチは自分でON にしなければならないと振り返ってみると感じます。 そして、その電源はいつもON にしておく必要があるわけです。
その恩恵はとても多く、よりパートナーシップの絆が強くなったことやその影響が他の子育て家族に伝播すること、そして仕事の幅が広がり収入が上がっていくことです。
まず、始めに家族ありきという考え方がもたらす恩恵は今後、さらに広がっていくと感じます。