「心と体のつながりを強める方法」チョプラ博士インタビュー「ウェルビーイングな生き方」PART4

ディーパック・チョプラ博士来日、スペシャルインタビュー

医学博士で、ウェルビーイング分野における世界的権威。75冊を越える著書の発行部数は世界で2000万部を越え、マイケル・ジャクソン、レディー・ガガ、ミランダ・カーなど多くのハリウッドセレブ、世界各国の要人がメンターと仰ぐディーパック・チョプラ博士。世界でもっとも影響力のあるスピリチュアルリーダーのTOP5に例年ランクインする博士に、TRINITYがインタビューさせて頂きました。

どうにも変えられない遺伝子は5%だけ

―博士が著書『SUPER BRAIN』でもお書きになっているように、心と体を包括的にケアして行く事で病気の治癒効果を高め、ひいてはプラセボ(偽薬)の効果にまで影響が出てきますね。「ウェルビーイング」的生き方を実践する上でも心と体のつながりは大切なポイントですが、どうしたらその結びつきを強める事ができるのでしょうか。 現在、neuroplasticity(『神経可塑性』編集部注 : 脳の可塑性とは、例えば損傷などでその部位の脳機能が失われたとしても、他の脳神経細胞がその機能を補う働きをするようになる事)、epigenetics(『後成学』編集部注 : 様々な定義があるが、例えば「DNA配列の変化では説明できない体細胞分裂および/または減数分裂に伴う遺伝子機能における遺伝的な変化(リッグス) 1996」)という、2つの新しい科学があります。 Neuroplasticityは特に注目されています。私達は脳のニューロンを、自分の意識によって自ら指揮する事ができるのです。例えばどのような考えを持つのか、どのような言葉を話し、どのような行動をするのか、加えて人間関係や社会的交流、自然との関わりによって、ニューロンの結合の仕方を変えて行く事ができます。 そしてシナプスを増やして行くのに関係するのが、瞑想、自己の内観、マインドフルネス(『今・ここ』に意識を持ち生きる事)、体への気付き、食べ物と睡眠の質、感情マネジメントなどです。 それからepigeneticsについて話しましょう。私達の遺伝子の数はおよそ23,000ありますが、これらの遺伝子がそのまま私達の将来の病気などを作るのではなく、私達の生活や習慣が遺伝子に影響を与えると、いうのがこの科学の考えです。 例えば病気全体のうち、遺伝子が原因となって発症するのは全体のたった5%で、残りの95%は自分の思考の癖、感情、睡眠の質、行動様式などに起因します。つまり自分の力でどうにも変えられない遺伝子は、5%しかないのです。 だからこそ、心と体のつながりはとても大切で、epigeneticsの考えを持ち日々の生活の質を上げる事で心と体の結びつきを強め、分子レベルでアンチエイジングができ、寿命を長くする事もできるのです。 ~続く~ ■ディーパック・チョプラ オフィシャルWEBサイト http://www.chopra.jp Photo:Tomoko Tominaga ★バックナンバーを見る→連載記事:ディーパック・チョプラ博士