ココロセラピストが語る!『ありのままの私』とは?~その2~

「ありのままの私」というのは誤解している方が多いですが、決してネガティブで塗り固められた自分ではなく、自己否定したくなるような自分ではありません。
「ありのままの自分を受け入れるって、これがまた難しいんですよね。どうしても受け入れがたい自分がいる事も事実なんです。私、まだまだ未熟なんですよね…」
という具合に溜息を吐いて、いじけてしまう方が本当に多いです。やはり「ありのままの私」というのはネガティブなイメージなのかもしれません。

ただ、よく考えて下さい。実は誰も「ありのままの私」を受け入れなければならないとは言っていませんよね。どうして「ありのままの私」と言いながら、人に強要されてまで受け入れなければならないのか。不思議ですよね。「ありのままの私」を受け入れるかどうかというのは、当事者の問題なのです。他人がコントロールできる領域ではないのです。

だから、「受け入れなければならない」という義務や強制力もなければ、いじめる必要もないという事をぜひ、知っておいて下さい。

「ありのままの私」というのは、色々な解釈があると思いますが、『主観的に観た自分』と『客観的に観た自分』のことなのです。
それをきちんと見て、どうしたら良いのかを考えて行く事が大切なのです。それを僕たち心理セラピストは『カウンセリング』と呼んでいるのです。

善悪でも優劣でもなく

カウンセリングと言うと、精神疾患の人を治療するというイメージを持つ方が多いのですが、病院ではそういう位置づけなのかもしれません(僕は医療従事者では無いのでわかりません)。しかし決してそうことではなくて、自分自身(「ありのままの私」)をきちんと見つめ直して、改めてその瞬間から人生を見つめ直してみる。これがカウンセリングなのです。
そう考えると「ありのままの私」というものが、至らない自分を妥協してでも受け入れなければならないという解釈とイコールではない事がなんとなく理解できるのではないかと思います。

自分の思い込みや、誰かに植え付けられた偏った価値観、現時点での自分自身の立ち位置をきちんと把握する。「ありのままの私」を善悪とか優劣とか、そういうものを排除して理解して、ただ受け入れてあげることで、明日という未来に進みやすくなれば…。
おそらく世間一般で言われている「ありのままの私」の本当の意味ではないかと思うのです。もちろんこれは僕の意見なので他の意見もあるとは思うのですが、参考になればと思います。
こういうことを言うと、「TATSUMIさん。あなたは自分が心理セラピストだから、そういうことを言って集客しようとしているんでしょう。詭弁ですよ」と思う方がいるかもしれません。
確かに僕を含めてセラピストたちは、一人でも多くの方のお役に立ちたくてカウンセリングを受けて欲しいと思っていますが、別に僕は無理強いするつもりはまったくありません。
ただ「ありのままの私」が何なのかわからずに頭を抱えていたり、ネガティブな自分を無理矢理受け入れようとしたり、結局は気合いや根性こそが大事で、その上で結果を出せなければ自分はろくでもない人間なのだと思ったりして悶々としないで欲しいだけです。

充実した「今」を生きるために

言葉には『言霊』といって、パワーが宿っていると言われています。「ありのままの私」という言葉も、意味が良く分からないまま、独り歩きしてしまって否定的なセルフイメージを創り出すパワーを持ってしまった気がします。
言葉は、曖昧なままの意味合いで使っていると、潜在意識にこのようにネガティブな影響力を植え付けてしまう危険性もあります。
「ありのままの私」とは、今日や明日という日をより充実させて生きるための分岐点に立っている自分だと思うと、この言葉も恐れることなく、親しみやすくなるのではないかと思います。