『ルーンマスター杉原梨江子 ~北欧の聖なる文字ルーンからの伝言~』 第23回

photos by Rieko Sugihara in Praha

空にサインが現れるとき

空を見上げたとき、飛行機雲がこんなふうにクロスしているのを見たことがありませんか? それはあなたのもとに“贈り物”が届けられるというサイン。「愛」という名のプレゼントが……。さて、それは?

「×」というマークはバツ印ではなく、ルーン文字では“絆”のシンボル。愛を深めること、大切にしたい人との絆を強めること、真実の愛を見抜く心を養うこと……。人と人とのご縁を結び合うルーンなのです。「今、いちばん大切にしたい人は誰ですか?」最も身近な人を大事にする心を忘れかけたときにルーンはそっと囁きます。

私にとって、最近の贈り物は藤の花でした。都内ではもう終わっていた6月初旬。秋田に取材で訪れたとき、大きな藤の木と出会ったのです。藤の名所のように人間の手で整えられた藤ではなく、自然のままに、自由に、まるで天から流れ落ちるように、美しい紫色の藤が咲きほこっていました。藤のシンボルはまさに「愛の力」。強めたい絆、欲しい愛は絶対に手に入れる強さをくれる花なのです。

 
秋田県・鳥海山野麓の自然休養林入口に立っていました。

絆が深まる、贈り物のルーン


【贈り物のルーン/G ギュフ】

時空を超えて、古代北欧の女神フリッグから、あなたのもとへ贈り物が届けられます。フリッグは「愛される者」という名をもつ母なる女神。幸せな結婚と、家族や友人を愛する母性の守護神として、愛にあふれる人生をもたらします。

【贈り物のルーン】が授けてくれるのは、誠実な絆を結ぶ力です。友達、人生の伴侶、仕事のパートナーなどと精神的な結びつきを確かなものにします。なぜなら、このルーンは自分を愛する気持ちを恐れない勇気をくれるからです。すぐに自信をなくしてしまうあなた、人を傷つけたことを後悔してばかりのあなた、ルーンを握って「私は、私を愛している」とつぶやいてみてください。あなたは今の自分をそのまま受け入れ、許し、愛することができるようになります。素直な心で、大切な人との絆を強めることができるあなた自身になれるのです。自分をしっかりと愛することができる人は、他者も愛することができる人です。

ただし、この世は理不尽なことや悔しいことはいくらでも起きます。そのとき、あなたがどうするか? が問われます。心に嵐が吹き荒れていても、微笑んで「ありがとう」を言ってみてください。何が起きようと、自分の心と体は穢されないと誓ってください。他人が何をしかけようとも、あなた自身が邪悪の道まで降りていくことはないのです。

出会えて、ありがとう。優しくしてくれて、ありがとう。怒ってくれて、ありがとう。そして、そばにいてくれて、ありがとう。愛に満ちたあなたのもとにはすばらしい人々が集まってくるでしょう。愛の贈り物が次々と届く、そんな毎日を約束するルーンです。