初めての挨拶で「お世話になっております」はOK?『この「言い回し」で10倍差をつける』

言葉づかいひとつでこんなに変わる!
日本語の権威がアドバイス

日本語教育の権威・金田一秀穂さんの新刊、『この「言い回し」で10倍差をつける』が話題です。

言葉づかいは難しく、同じ内容のことを伝えるにしても、言葉の使い方一つで相手を不快にさせてしまうこともあれば、気分良くさせることもできます。本書は日常生活のよくあるシーンごとに、具体的な言い回し例を多数紹介。ビジネスで、家庭で……、今すぐ役に立つ1冊です。

ビジネスシーンでも一般生活においても、同じ内容を伝えるのに言い方一つで相手の気持ちはガラリと変わります。
例えば、理不尽なクレーム電話がかかってきた場合でも、こちらの言葉遣い一つで相手の怒りを治めることもできますし、その逆に火に油を注ぐ結果にもなりかねません。

本書は、①お願い編 ②言い訳編 ③リアクション編 ④挨拶・お詫び編 ⑤感謝・ねぎらい編 と分類分けし、どんな場面でもうまく応用できるように、さまざまな言い回しを簡潔にまとめられています。

日頃、何気なく使っている「人をイラッとさせてしまう言葉」をスマートな言い回しに変える一覧表なども多用。若い世代から中高年世代まで幅広い層に役立1 冊になるはず。

ついついこんな表現を使っていませんか?
間違い易い表現をチェック!

【本書から一部ご紹介!】
「申し訳ございません」は厳密には誤用。
ちょっと上級の謝罪フレーズをマスターしましょう。

→金田一先生からのアドバイス
そもそも、「申し訳」とは「言い訳」「弁解」を意味しており、「申し訳がない」というのは「弁解の余地もない」ということです。
「心よりお詫び申し上げます」「お恥ずかしい限りです。今後はこのようなことのないよう…」など、ちょっと上級の謝罪フレーズだと、相手のハートに思いが伝わると思います。

日常生活でもメールでも、つい使ってしまう「了解しました」。
これって正しいんでしょうか?

→金田一先生からのアドバイス
SNSやメールなどのプライベートではともかく、ビジネスシーンでは、上司や先輩が不快に思ってしまうかも。
言葉の意味からも「了解」には「理解して承認する」という意味が含まれます。ここはプライベートと一線を画しましょう。「承知しました」「かしこまりました」「承りました」がふさわしい表現です。きょうから直してみてください。

メールで、挨拶で、つい使ってしまう「お世話になっております」。
これってどうでしょう?

→金田一先生からのアドバイス
初めての連絡で、「お世話になってます」書くと、「知らないよ。別にお世話してないよ」と反感を持つタイプもいるでしょう。私の見解は、これまで取引のない会社に連絡する場合、「初めてご連絡さしあげます」という書き出しで本題に入ったほうがスマートだと思います。そして、気をつけたいのが「お世話様です」という表現。「様」と「です」が続くので丁寧な表現に思えますが、実は「お世話様」は目上から目下の人に対して使う表現なのです。

 

【 著者プロフィール 】
金田一 秀穂(きんだいち・ひでほ

1953 年、東京都出身。1983年、東京外国語大学大学院日本語学専攻修了。その後、中国大連外語学院、コロンビア大学などで日本語を教え、ハーバード大学客員研究員を経て、杏林大学外国語学部教授を務める。専門は日本語教育、言語行動、意味論。東南アジア諸国の日本語教師に対しての指導も行っている。祖父の金田一京助氏は言語学者、父の金田一春彦氏は国語学者と、日本語学一家に育つ。日本語にまつわる著書多数。テレビにも数多く出演している

『この「言い回し」で10倍差をつける』
著:金田一秀穂
発売:2014年4月1日
出版:小学館
金額:¥756