パーソナルスペースのシフト ー 気づきの物語 ー あなたは今日 どんな響きと共鳴しますか?

アンドロメダ銀河 NASA

パーソナルスペースを意識してみる

花便りが届く頃になりました。暖かな風に後押しされて、気持ちの良い場所に出掛けたくなります。この時期、初めて一人暮らしをされる方も多いでしょう。 親子で生活用品を揃えられている姿を良く見かけます。新たな生活で、落ち着いていられるスペースを作ることが出来ると良いですね。 「パーソナルスペース」は、社会心理学用語で、他者が自分に近づく事を許せる心理的空間領域のことです。この領域を侵されると、人は不快感や嫌悪感を感じ、防衛本能が働く状態になります。 アメリカの文化人類学者、エドワード・ホール (*1) は、他者との関係性によってパーソナルスペースの大きさが変わるとして、密接距離、個体距離、社会距離、公共距離の4つのゾーンに分類し、それをさらに近接相と遠方相の2つに分けています。例えば、密接距離 (45cmまで) は、家族や恋人など、ごく親しい人以外の人が近づくと不快感を覚える距離です。 実験では、床に、前後、左右、左右斜めの目盛りを貼り、その中心に被験者が立ち、或いは座り、相手が近づいて来るのを見て、感じて、それ以上近づいて来られたくない所で合図をします。その距離を測ってデータを取りますから、目で見ることが出来る領域以外は、その人が発しているエネルギーを感知して、反応が起きます。 余談ですが、この実験に参加したとき、私は、視覚を遮断したときにどうなるか試したかったのです。残念ながら(当然のことながら?)即座に却下されました。 許可されていたら、きっと興味深い体験が出来たと思います。 パーソナルスペースは、年齢、性別、性格特性、感受性、文化的背景、環境などによって大きく個人差があって、一般的に、親密な相手ほど狭く、敵視している相手に対しては広くなります。また、男性は女性よりもパーソナルスペースが大きく、特に同性である男性に対して、警戒心や敵対心を感じる事が多いとされていま す。とても良く分かりますね! その他に、コミュニケーション能力の観点で、社会的スキルが高い人(コミュニケーションが上手な人)はパーソナルスペースが小さく、心配性で不安感が大きい人は、パーソナルスペースが大きくなるという実験結果も出ています。(*2) あなたは、親しくない他者と混んだエレベーターに乗っているとき、何となく息苦しくなって、表示される階数や天井に注目していたことはありますか? また、密接距離さえも取れない満員電車の中では、携帯電話や本などに集中することで、不快感を緩和するのは日常的な事ですね。 逆に、好意を寄せている相手ならば、お互いの距離を縮めたくなります。 私たちは、相手との関係性に応じて、その距離感を使い分けています。因みに、縦の人間関係である会社などでは、地位が上がるほど机や部屋が大きくなり、一般社員との距離を大きく取ります。これは、権威をアピールしたいという示威行動の現れと言えます。

トランスパーソナルな “ 響き ” を感じてみる

それでは、意識の領域は どうでしょうか? どこまでが自分の領域で、どこが境界なのでしょう。 意識の世界は、無限の大きさを持っています。思考の波から離れた、個を超えた意識 ー 変性意識状態 ー であれば、素粒子が影響を及ぼし合い、響き合っている 「情報体としての宇宙 (3*)」にアクセスし、普遍の真理に触れることも出来るのです。 「地球を超えた宇宙で、この世界のほとんど全ての場所と文字通り接触している。 それに通じる直感を抑圧しなければ、私たちは、素粒子ほど小さいものからも、銀河ほど大きいものからも、情報を受け取ることが出来る。」 「その中で起こる全てのことが、他の全てのことに影響を及ぼす。すなわち、情報を与える、ということである。(3*) 哲学者であり、未来学者でもあるアーヴィン・ラズロの言葉です。 私たちは、情報の受信装置であり、また発信装置でもあるのですね。 今、あなたが発しているエネルギーを、何百億光年も遥か遠くの存在がキャッチしていて、共鳴しているかも知れないのです。 それは、どんな “ 響き ” として伝わっているのでしょう。 心が和らぐような優しい “ 響き ” でしょうか? それとも、、、? あなたは、今、どんな “ 響き ” を発していますか? *1 Edward Twitchell Hall,1914-2009 *2 齊藤 ひとみ,2011 *3 Ervin Laszlo,叡智の海,2005