「~すべき」「~すべきではない」という強制的な思考と向き合えば、悪習慣も断ち切れる。

バイロン・ケイティさんインタビューPART.2
Byron Katie

「私」という存在は
自分の想像で生まれたもの

編集部(以下編)相手が何を感じているか想像する必要があるのでしょうか? 他人を気遣うには想像が重要だと思いますか? それとも想像は必要ないと思いますか?

ケイティ(以下ケ)マインド(思考)は、純粋に想像からなっており、探求(ワーク)は、現実に気づかせてくれる手段なのです。
「私」は、「自分」による想像なのです。それに気づいてから、自分をあまり真剣にとらないようになりました。「自分」をマインドとして愛することを学びました。マインドがマインド自身に熱中していることが素敵なダンスなのです。そして唯一のダンスなのです。

他人が何を感じているかを想像する必要はありません。もしも、あなたが何を感じているかを知りたければ、私は直接あなたに聞きます。推測(想像)は必要ありません。あなたが話してくれることを信じます。

他者の感情を想像しても
それが事実かどうかは分からない

ケ:他の人の感情を想像しても、その推測が正しいか間違っているかは50%の確率でしょう。他人の痛みを感じることができると考えますよね。でも、それは純粋な想像でしかありません。痛みを感じている人と同じ状況に陥ったら「自分」がどう感じるかということを投影しているにすぎません。そして、それを相手の痛みだと信じているのです。

私は、肉体が別個に存在するのをありがたく思います。だって、あなたが心の痛みを感じている時、私はその痛みを感じません。私が心の痛みを感じている時、あなたはその痛みを感じないのです。あなたが心の痛みを感じている時、私はその痛みを感じないので、あなたのために全く「今」にいることができるのです。

「~すべき」という強制から
自由になって、悪習慣を断つ

編:「~すべき」という考えに疑いを持つべきですか? たとえば、「夜11時には寝るべき」とか「玄米を食べるべき」とか。

ケ:私は、常に思いやりを持った生き方をしています。明瞭なマインドは、思いやりのある人生のなかでだけで生きていけるのです。混乱したマインドで生活すれば、混乱した人生を送ることになるでしょう。

ですから、「~すべき」「~すべきではない」の考えが明らかにされるジャッジメントワークシート(http://www.thework.com/nihongo/downloads/JYN_japanese.pdf)はとても重要なのです。
なぜ自分はこんなにも長く「~すべき」「~すべきではない」の考えで苦しんだのだろうと、多くの人が疑問に思うでしょう。私は、「煙草を吸うべきではない」と長年思ってきましたが、止めることができませんでした。ワークを発見した時、煙草が私から去って行ったのです。

ジャッジメントワークシートに
ストレスに感じていることを書き出していく

ケ:私は努力なしで煙草を吸わなくなりました。吸うことを止めるために長年もすごく努力をしてきましたが、ジャッジメントワークシートに自分がストレスに感じていることを書き出し、それを質問していくことで自分の苦しみをストップすることができました。何一つ自分から止める努力をせずに、衝動食いも、アルコールも、その他さまざまなことが自分から去って行きました。正しいことをしようと強制的に努力してきましたが、それは逆効果だったのです。

混乱したマインドの考えや思い込みや観念は、正気とは思えないことを私たちに説得します。明瞭なマインドにとって、不健康な生活は全く理にかなわないことなのです。

~続く~

 

<プロフィール>
バイロン・ケイティさん
Byron Katie
1986年に「現実に目覚める」体験をして以来、「シンプルな4つの問いかけの力で人生が一変する」という独自のメソッドを紹介。現在、世界31言語、数百万の人々に紹介し、ストレスや苦しみの原因に気づき、やがてそれらのストーリーから自由になる手助けをする。
http://www.thework.com/nihongo/