赤ちゃんにとってのお産とは?
出産後、どんなお産だったかを周りの女性と共有する機会が増えました。赤ちゃん連れでいるとご近所さんとの会話も増え、時にはお産の話にまでなることがあります。
お産は多くの女性にとって、かけがえのない素晴らしい体験になるようですね。
私にとっても、この連載初回(https://www.el-aura.com/20130704%E2%80%9003/)や前回(https://www.el-aura.com/201401061630/)にも書かせていただいたとおり、何とも言えない不思議で感動の体験でした。
でも、赤ちゃんにとってはまた別の感じ方があったようです。
それを感じることとなった出来事を、紹介しますね。
胎内記憶・胎話の第一人者池川明先生の著書に、誕生の記憶を語る子供たち。事例は胎内記憶よりは少ないようですが紹介されています。
「狭かった」「苦しかった」「出てきたら眩しかった」「部屋にみんながいた」
「お腹の中は気持ち良くて、(出てこないで)ずっと居たかった」
「早く出てきたかった」……
うちの子が話せるようになったら、どんな記憶を語ってくれるのだろう?と、本当に楽しみなのです。
しかし実は、話せるようになる前から、ちゃんと覚えているんだなと感じる場面がよくあります。
胎話の素晴らしさを知り、お腹の中にいた時からコミュニケーションをよく取っていたせいか、生まれてすぐから表情も豊かでハッキリと意思表示をする子です。
新生児の頃から、その表情が大人っぽく喜怒哀楽を表現する様子に、周りに驚かれるほどです。
そして、お産の時の話になるとある反応を見せることに気付いたのです。
同じ時期に生まれた赤ちゃんとの同窓会の日の出来事
退院してから、1ヶ月健診まであまり外出をせずに自宅で安静に過ごしていました。しかし自宅でセラピーサロンを営んでいるため、パートナーの潤治が講師をする講座に赤ちゃんと一緒に顔を出すこともしばしばありました。
そこで参加者のみなさんから「お産はどうでしたか?」と聞かれることもよくありました。
友人が訪ねてくれた時も、やはりお産の体験を話す事がちょくちょくありましたね。
しかしそんな時は決まって、普段ご機嫌であまり泣いたりしない赤ちゃんが、嫌そうな声を上げるのでした。生後0~1ヶ月頃のことです。
最初はその理由を気付かずにいました。
ある時、産院から同窓会の案内が来ました。対象は4月、5月生まれの赤ちゃんがいるお母さん。
うちは5月生まれで、生後2ヶ月のことでした。
どこに行くにも、何をするにも、お腹の中にいた時の胎話の習慣で『赤ちゃんの合意を得る』ということを生まれてからも大切にして言葉をかけて反応をみていました。
しかし、その同窓会の案内は何も考えずに「参加」に丸をしてハガキを投函していました。
同窓会当日。
「今日は車で、同じ時期に生まれた赤ちゃんもいる同窓会に行くのよ。いいかな?」
いつもしている通りに、赤ちゃんにその日の予定を話して聞かせました。
その時私にはそう見えたのですが、突然でビックリして、ショックを受けたように感じられました。
そして、泣き始めました。
いくらあやしても、珍しいくらいの大泣き。
以前は、約束していた初めてのお散歩に行きたくて愚図っていたことがあり紹介しました。(https://www.el-aura.com/201311281930/)
しかし今回は、逆でした。
生後2日で車に乗って移動もしていますし、普段も通院や買い物、実家に行くのに車によく乗るのでそれは慣れています。
車に乗ることが嫌なのではなく……同窓会の場が嫌なのでした。
「ちゃんと前もって確認しないで、勝手に決めちゃっててゴメンネ。
今日は同窓会に、行かないことにするよ。」
その言葉を聞いて、ずっと泣いていた赤ちゃんはあっけなく落ち着き、安心してスヤスヤと眠りました。
やっぱり、その場に行きたくないんだ。
そして、理由が分かってきました。
そういえば、お産の時の話になると嫌そうな声を出していたっけ。
産院の同窓会となると、きっとお産の時の状況をみんな話す様子が目に見えます。
そんな状況にいたくなかったんだ、お産の時の話は、今は聞きたくないんだ……。
この話を当時Facebookで共有した時に、同様の体験をした先輩ママさんからコメントをいただきました。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=493403974073576&l=5b62df259b
赤ちゃん・子供がお産の時の話は聞きたくないってことがあるのだと確信しました。
「お産の話を聞きたくない」のは赤ちゃんからのメッセージ
お産は、お母さんと赤ちゃんの命を賭けた共同作業だと感じます。
私の場合は、破水からなかなか陣痛が始まらず、精神的にも体力的にもしんどい思いをしました。
「お産はどうしてこんなに苦しいんだという人もいるけれど、赤ちゃんはお母さんを苦しませたいわけではないんですよ」
「お母さんにそれだけ負担が掛かっていたら、赤ちゃんにも当然負担ですよ。でも、産後きちんとお母さんのケアをしていれば、徐々に赤ちゃんが受けたストレスも軽減しますから」
お世話になった助産院で言われたことを、思い出します。
私自身が産後順調に回復していけば、赤ちゃんもお産で受けたストレスが楽になっていく。
「母子地続き」と言いますが、母親である私の感情や体調がダイレクトに赤ちゃんに影響していることを、よく実感します。
「お産の話を聞きたくない」という赤ちゃんの反応は、
もしかしたら
「ママ、ちゃんと産後ダメージを受けた身体を回復させてね」
というメッセージでもあるのかもしれません。
現在娘は8ヶ月になり、ハイハイ、つかまり立ちもするようになり外界への好奇心いっぱいの日々です。
そして久しぶりにお産の話をする機会がありました。
ランチ会を開催した時だったのですが、食いしん坊の娘は大好物の離乳食にいつものように大はしゃぎをしていました。
「もっとちょうだ~い!」と言わんばかりの、歓声、テーブルで手をバンバン叩いたり、バンザイしたり、全身揺らしたりと、食べたいアピールが盛んです。
そんな大はしゃぎをしている時に、お産の体験を聞かれて私が話し始めると……あらら。
娘は静かになってしまい、うつむいてブスッとした表情に変わってしまいました。
前ほどではないけれど、まだやっぱり聞きたい話ではなかったようです。