沖縄の大木に宿るエネルギーを、是非体感してください~古見(こみ)部落「サキシマスオウ群落」(前篇)

神様が宿る木々

段々と寒さも増して冬本番となり、今年も残すところあと少しになりましたね。
今年の初雪はどこも早く、被害のあった地域もありましたが皆様のところは大丈夫でしたか?
今後もどうか油断なさらず気をつけてくださいね。

先日、第二の故郷の西表島に今年は行くことができました。
今度行ったら必ず観たいと思っていたものがあり、念願叶って行く事ができました。
今までも何度か訪れましたが、デジカメに収めることができなかったのです。

今回から2回にわたってご紹介するのはどれもスピリチュアルに溢れた樹木たち。
今回は、国の天然記念物にも指定された古見(こみ)部落のサキシマスオウ群落。
写真ではわかりづらいのですが、根の部分が広範囲に広がった板根と言われる板状の根が、いくつも連なった不思議な形をしています。

 

これらの木々にも、必ず神様が宿っているので、異常な発達をすると思われます。昔はこの板を使って、舟の舵や農機具等に利用していたそうです。
今は近づけないよう散策路が設けられていますが、以前は極間近で観ることができ、御嶽(うたき)のような拝所の奥へ行くと、足元には湿地帯に住む生物も多く観られました。
ガサミやシジミにハゼやエビ・シオマネキ等のカニが、静かに生息して、これまでも私達のような侵入者の訪れを幾度となく、遠くから見て来たことでしょう。

 

特にここ古見部落は、豊年祭なのに秘祭であるアカマタ・クロマタ・シロマタ来訪神を祝う伝統行事が夏にあり、一般公開はおろか、取材やビデオ・カメラ等一切の撮影が禁止されています。
一度見に行ったことがありますが、なるほど歴史ある伝統的な秘祭であるのがよくわかりました。祭を取りしきる知人の島民達の緊迫した面持ちで、如何にこれが歴史ある祭であるかが瞬時に伝わったからです。しかしこの秘祭は島民でさえ簡単に見ることができません。

そんな古い部落に、長い間ひっそりと見守るように佇むサキシマスオウの木々は、他部落にあるそれとはまた違う表情を見せてくれます。住民でさえ、むやみに拝所に近づくことは許されず、周りを囲むように置かれたブロックの上を歩いて、奥にあるサキシマ群落まで辿り着きます。薄暗い木々に囲まれて静かに進むと、心身が何ともいえない厳かな雰囲気に包まれます。そして目の前にあの大木が現れて見上げると、大自然の驚異に思わず立ちすくんでしまいます。

今や観光客の増加と共に、この聖地を守る為に造られたであろう散策路からは、この大木は上からしか眺めることができず残念でしたが、後世に天然記念物を遺していく為には仕方のないことだったのでしょう。
皆さまも、もし八重山に行くことがあれば、是非訪れてみてくださいね。きっと普段は感じることの出来ない感覚を味わえ、心身が癒されていくことでしょう。