愛が全てを変えてくれたらいいのに~女になった彼との愛『わたしはロランス』~

強く美しく切ない愛

モントリオール在住の小説家で、国語教師のロランスは、美しく情熱的な女性フレッドと恋をしていた。35 歳の誕生日、ロランスはフレッドにある秘密を打ち明ける。
「僕は女になりたい。この体は間違えて生まれてきてしまったんだ」。
それを聞いたフレッドはロランスを激しく非難する。2 人がこれまでに築いてきたもの、フレッドが愛したものが否定されたように思えたのだ。
しかし、ロランスを失うことを恐れたフレッドは、ロランスの最大の理解者、支持者として、一緒に生きていくことを決意する。メイクを教え、女性の服装で生活すべきだと促すも、モントリオールの田舎町で生活するのは困難がつきまとう。社会的排除、人々の好奇の目。フレッドはどんどん鬱状態に陥っていく。

フレッドは、ロランスの元を去り、結婚して、子どもを持つという選択をする。一方ロランスは、シャーロットという女性と暮らすが、まだ、フレッドのことをひどく愛していた。フレッドの家の近くに住み、しばしば、彼女の跡をつけていた。
ある日、詩集を出版したロランスは、フレッドに本を送る。そこには、二人だけにしかわからない、秘密のメッセージが隠されていた。
再び出会った二人は、なにもかもを投げ出して、いつか一緒に行こうと話していた“イル・オ・ノワール”へと旅立つ。しかし、夢のような逃亡の時間は長くは続かず、二人の関係はお互いのパートナーの知るところとなる。愛しているのに、うまくいかない。感情をぶつけ合った二人は、もう、一緒には生きていけないことを悟る。

数年後。フレッドは離婚し、ロランスは作家として成功するが、お互いがお互いを忘れられずにいた…。

 

渋谷アップリンクほかにて全国順次公開中
『わたしはロランス』
監督:グザヴィエ・ドラン
出演:メルヴィル・プポー、スザンヌ・クレマン、ナタリー・バイ
(2012 年/168 分/カナダ=フランス/1.33:1/カラー/原題:Laurence Anyways)
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