早生みかんで食欲回復! ~ みかんの皮に秘められた魅力的な力

実が美味しいだけじゃない! 皮も活用しよう!

日に日に寒さを増し、外出時にはコートが手放せない季節になりました。
この時期、私のちょっとした楽しみが早生みかんです。スーパーや果物屋さんで売っている青いみかんですが、食べられる時期が短いのが残念です。
学生時代に、近くの果物屋さんで買った早生みかんがあまりにおいしく、頻繁に足を運んでいたのですが、ひと月ほど経つと普通のみかんに置き換わっていました。そこで、「青いみかん、ありませんか?」と尋ねると「青いみかんはなくなったけど、この黄色いみかんのほうが甘くておいしいよ」との答えが返ってきました。確かに黄色いみかんもおいしいのですが、早生みかんには程よい酸味と爽やかな香りがあり、特有のおいしさがあります。

ところで、早生みかんの皮やスジには「ヘスペリジン」という物質が豊富に含まれています。ヘスペリジンは、ポリフェノールの一種で毛細血管の強化作用やコレステロールの低下作用、抗アレルギー作用、発ガン抑制作用などを持つ魅力的な物質です。

漢方には「陳皮(チンピ)」というヘスペリジンを豊富に含む生薬があります。ウンシュウミカンまたはマンダリンオレンジの皮を乾燥させたもので、健胃、鎮咳、去痰、鎮嘔などを目標として使用され、香蘇散、神秘湯、清暑益気湯、清肺湯、疎経活血湯、補中益気湯、六君子湯の他、多くの漢方薬に配合されています。
マンダリンオレンジの果皮は、アロマオイルにも使用され、食欲のないときや気持ちが晴れないときにおすすめのオイルです。また、陳皮は七味唐辛子にも配合されています。七味唐辛子は、漢方薬を参考にしてつくられたものであるため、元々は薬効が考慮された調味料だったのでしょうが、うどんやそばに振り掛けるときに、そんなことを考える人はいないでしょう。

ヘスペリジンは、青いみかんほど含有量が高く、熟すほど急激に減っていくそうです。私が早生みかんを好むのは、ひょっとしたら体がヘスペリジンを求めているせいかもしれません。