しあわせブータン便り第34稿「め」~「メディア」

ブータンのしあわせの理由

ブータンにいくと本当に日本の次元では考えられないことがたくさんあります。
逆を言えばブータン人にとってブータンの次元では考えられない国が日本だったり……。

そんな中のひとつが「メディア」。
まず現代的なメディアからお話しするとインターネットはブータンのすべての地域において通信可能です。もちろん電波の悪い箇所もありますが、「誰も平等」ということからツールさえ持つことができれば、インターネットは使えます。またこれは携帯電話も同じ。スマートフォンを持っている人もとても多いです。かなり高額ですが、お金持ちの方などはスマホです。私がいたときはiPhoneよりもブラックベリーが多かったかな? お坊さんも、子どもたちも持っていたりします。この辺りはあまり変わりないかも……。
ブータンのイメージが変わりますか??

次にテレビ。テレビは2局しかありません。しかもずっと番組を流しているわけではなく、一日のある時間になると番組、特にニュースを流します。けれどブータンにはチャンネルが多い! そのチャンネルは……インドからきています。
ブータンのテレビをつけると、ドラマなんかは99%インドのもの! インドの放映をそのまま流しています。だからブータン人は英語、ヒンズー語がわかる人がとっても多くて、ヒンズー語は娯楽の少ないブータンではテレビから学ぶ人も多いとか思います。
となると、宣伝ももちろんインドの商品!!
ここはインドかな?と思うぐらいにブータンのテレビはインド一色です!!

ブータンの国営放送なんかを観ると、知っている人や場所ばかり出てきて、ある意味、ホームビデオみたいな楽しさがあります。人口が70万人なので、テレビまでアットホーム!

ブータンの新聞は、現在大きく3紙あります。
Lotus&Herbsの蓮のロゴを一緒に作成した友人が新聞記者であることもあり、新聞社にはちょくちょく遊びにいっていました。
大きくというのは……ある日突然、新聞がなくなっちゃったりします!
Kuensel(クエンセル)という新聞はよく読まれている安定した新聞ですが、他の新聞社は「WEBの技術者がいなくなったんだよな~。アメリカの会社にリクルートされて。だから廃刊だよ」といって私が滞在中に突如廃刊……。そして技術者が見つかったらしく、数か月したら復活していました!

廃刊の際のHPには、「われわれの友人はアメリカに引き抜かれ、もちろん彼の成功を祈るんだけど、わが新聞社は廃刊せざるをえません。申し訳ございません」という文章が出ていて……う~ん、いかにもブータンらしい!

本当にみんな知り合いみたいなものなので、なんだかすべてが近い!
お知らせを読むほうも「あ~、あの人辞めるんだよね。なら廃刊でも仕方ないよね」みたいな感じです。日本では絶対に考えられないですよね。

ブータンには、まだ夕刊はありません。といってもニュースあまりなく、本当に驚くようなことがニュースになります。
私が滞在した際も、友人のバーでの喧嘩が一面トップになって、連日、警察署とのやり取りや、傷口のドアップ写真が掲載されたり、本当に個人的なことが掲載されたり、私も食事の際の服装が「まちで見かけた最新ファッション!」と、大きな記事ででていて、すごく驚くとともに、服装だけ載っていても私とわかっちゃうので、すごく恥ずかしかったのを覚えています。

国王様の特集ももちろん一番多いかもしれません。お誕生日などには1紙まるごと国王様の写真だらけになります!「お誕生日おめでとうございます!」といった企業の広告がずらり~!

雑誌はと言えば数年前にブータン初のファッション誌が創刊されました。ブータンの民族衣装のキラや若者の遊びスポットや、流行情報などが載っていて、これも知っている人ばかりでてきます。

ブータン映画もあります。
ブータンの映画が日本で公開されることは、皆無といってもいいかと思いますが、共同経営者のペマの旦那さんは映画監督。よく撮影も見に行きました。なんだか牧歌的でシンプル。恋愛モノや家族関係のモノが多いです。恋愛モノはなぜか男性が最後には歌を歌い、愛を、想いを語る!レミセラブル式!……そう、ブータン人はダンスと歌が大好きです!もちろんブータンにはカラオケバーもあります。
映画館も街中に2軒ありますが、不衛生なため、行ったことがありません。ブータン人のお友達も嫌がって、結局みんなレンタルDVD屋さんで借りて観ています。衛生面はまだまだ問題が多いブータンです。

ブータンは映画以外、メディアは英語を使っています。新聞なんかは英語とゾンガ語のふたつが同じ新聞に書かれているものもあります。
ブータンに行くとKIOSKなど雑貨店でも買えるので、是非、何かの記念にどうぞ♪