Manawa~存在することは、力みなぎること~PART.2

manawaの模範はダライ・ラマ法王

ダライ・ラマ法王は、時に聴衆に不誠実な印象を与えることで知られています。私も当初は彼の言動に驚いたものです。インドにいるダライ・ラマ法王に会うために何ヶ月も、何年も前から計画を立てて会いにきている人もいるというのに、すっと立ち上がって、ありがとうとだけ言って出て行ってしまうのは失礼に思えたのです。しかし今では、敬意を持たない人、傲慢な人、あるいは自分の意見に固執している人と議論することには何の意味もないことを理解しました。その一方で、ダライ・ラマ法王はあまりに完全に今、存在するために、雑踏の中を歩いている時に、突然予定外の方向へ歩き出して行ってしまうことがあります。ボディーガードたちが慌てて追いかけて行くと、そこにはダライラマを本当に必要としているろう者、盲目の人、あるいは病におかされた人の元に、引き寄せられていたことを目の当たりにするのです。ダライラマが引き寄せられる人は、人ごみの中で容易に目に付くところにいる人ではないことも多く、アシスタントやボディーガードはダライ・ラマ法王がどのようにしてその人を見つけたのか不思議に思うそうです。ダライ・ラマ法王の存在は、あまりに情に満ち溢れているため、彼の存在を前にすると泣き出してしまう人も多いと言います。彼こそ、manawaの最たる模範です。

木や花はmanawaのよい例です。大きな松の木や満開の桜の木の存在は、人を平穏な状態へと引き戻すことにより人間の魂を癒すことができます。花は偉大な美しさという言葉を持ち、私たちが品位や情を思い出すように語りかけてくれます。花や木は、ただそこに在るだけで、その存在の強さ、つまりmanawaによって人間の最も偉大な教師となることができるのです。

自分の中を感じるエクササイズ

エクササイズ:丹田に意識を集中します。丹田に意識を集中させたまま、下腹部を使って、ゆっくりと3回深呼吸をします。次に、へそを木に向け、木と自分のつながりを感じながらもう3回深呼吸をします。深呼吸をする時に、下半身、下腹部、脇、そして背中が広がるのを感じましょう。すると自然と木とのつながりを感じられるかもしれませんし、感じられないかもしれない。必ずつながりを感じられると思ってはいけませんし、強引につながろうとしてもいけません。既につながりがあるものとして、それが自分の意識の中に入ってくるかどうか待ちます。へそや丹田で感じようとしてはいけません。そこにいる自分全体を感じていればよいのです。つまり、体の中心に持ってきた意識の海の中を泳ぐ思考、感情、感覚の波を感じるのです。

~おわり~

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