有名人で見る西洋占星術 ~星は人生のトリセツ~PART.3内村航平さん 前編

内村航平さんのホロスコープ

みなさま、こんにちは。キャロラインです。今日は、前回の予告どおり、男子体操界のキング、内村航平選手でケーススタディいたしましょう。

内村航平さん
1989年1月3日福岡県北九州市生まれ。出生時間は不明。

言わずと知れたロンドン五輪の金メダリストで世界選手権3連覇。先日の全日本選手権も前人未踏の6連覇を達成し、体操界のキング・オブ・キングの内村航平選手。北京オリンピック前からめきめきと頭角を現して、本番の五輪では団体、個人総合共に銀メダルを獲得。

翌年の世界選手権で優勝して世界一となると、その後、他の選手を寄せ付けない脅威の強さで世界選手権三連覇を達成!!

ロンドン五輪でも団体初日の不調がありながらの銀メダルに続き、個人総合では持ち前の強さを発揮して、見事金メダルを獲得しました。

そんな彼のホロスコープを見てみましょう。

これは、五輪金メダリスト、世界選手権三連覇も納得のホロスコープですね!

何がすごいかと申しますと、内村選手自身を表す太陽と海王星、土星、天王星の4つの星が非常に近い位置に固まっているのです。4つの星が多少のズレはあるものの重なりあって、四重の塔がちょっぴり斜めになった感じです。西洋占星術は、基本的には太陽から冥王星までの10個の星で見ますから、10個のうち4個がほぼ重なりあっているのですから、すごい確率ですね。

前回の華原朋美さんの回でお話しした、オーバーロードを覚えていらっしゃいますか? 1つのサイン(○○座)やハウスに星が3つ以上集まることで、そのサインやハウスの意味や特徴が強調される、ということでしたね。

内村選手の場合は、集まっている4つの星に太陽が含まれており、なおかつ、その中の海王星は冥王星とセクスタイルというアスペクトを形成します。

これを西洋占星術的にはステリュームと呼び、オーバーロードでの強調に加え、1つのグループとして強力なアスペクトを形成します。

つまり、本来は海王星と太陽の2つが冥王星とセクスタイルのアスペクトとなるのですが、ステリュウムの土星、天王星も1つのグループとなって、冥王星とセクスタイルとなるのです。

一対一で組むよりも、まとまったグループでアスペクトを組むほうが、影響は非常に強くなります。

天王星は革新的で理想主義かつ個性的、土星は真面目さやコントロール、海王星はイマジネーションといったことを表しますが、これが自分自身を表す太陽とグループを組み、プルトニュウムの語源となった程の強いパワーを持つ冥王星と組むのです。

強烈なパワーを生まれながらにしてお持ちになっている、ということなんです。この強烈なパワーは、ものすごく頑固で、偏屈で変わり者にもなりえるのですが、それが良い方に出た典型的な例ですね。

また、アスリートとして、太陽と冥王星が組むということは非常に体力があり、意思の強さ、集中力を持っているということなのです。才能だけではなく、意思が強く、トコトンやるだけの体力や集中力があるということ。

いくら才能があっても、集中力や体力が無ければ、大事な試合で力を発揮することは出来ませんから、とても重要な要素ですね。

また、演技価値点=技の難度に重きをおく審判たちが多い中、「美しい体操」に拘り、次の段階では「難しい技でも美しい体操」に仕上げてしまうのは、やっぱり特別な人です。ただの頑固者に終わらないのは、単体のアスペクトではなく、ステリュウムをお持ちになっているスペシャルな人だからでしょう。

そして、もう1つ重要なのが、太陽と海王星の関係から、イマジネーション、想像力が非常に豊かだということです。

両親の反対を押し切って中学卒業と同時に上京したのも、彼なりの将来の姿がしっかりとイメージ出来ていたのでしょう。
自分の将来についてのビジョンがしっかりと描けていることがわかります。

実は、この海王星は想像力を表すため、実体の無いイマジネーションのみを表すように思われてしまうのですが、先を読む力ととらえることもできるのです。

そして、この海王星のイメージング力は彼の体操そのものにも、大きな影響を与えているのです。内村選手は、自分の演技中に、自分がどのような演技をしているのかわかると言っていますが、それは、彼が何度も何度もシュミレーションをし、実際の演技とイメージとの差を無くし、確実に自分がどんな演技をしているかをイメージ出来るようになっているからなのでしょう。

そして、これは、子供の頃から人形を使って技のイメージトレーニングをしていたそうですが論理的に考えて、必要だからやっているのではなく、彼の持って生まれたものなのです。

太陽と海王星のコンジャクションというぴったりと重なるアスペクトがもたらした、彼の大きな才能と言っても良いでしょう。

内村選手は、「自分は天才ではない、努力でここまで来た」とおっしゃっていますが、確かに、星に表れた純粋なアスリートとしての身体能力、瞬発力等は、五輪金メダル、世界選手権3連覇、全日本6連覇という桁外れの結果を生む程のものではないのです。

火星という身体能力や瞬発力を表す星は、金星とトラインという良い角度を持ちますが、非常にテクニックがある、高難度の技を苦もなくやってのける、というようなものではありません。

彼がこれほどまでに大成することができたのは、太陽と海王星を含むステリュームの星たちが非常なパワーを持つ冥王星とアスペクトを組んでいること、そして、海王星のイマジネーションを最大限に使い、単にイメージするだけでなく、それを演技、実施に繋げることが出来ているからでしょう。

そして、彼の求める美しき体操は、火星と金星の調和でもあります。
火星=難度(テクニック)と金星=美しさ。
これが1度の誤差もなく、調和と安定を表すトラインを組んでいるのです。
彼が追い求める「美しき体操」は、まさに、彼が持って生まれた星の配置なのです。

その他の特徴として、水星と木星もトラインのアスペクトをお持ちですので、知性があって、堂々と物怖じしないで表現することが出来きます。また、繰り返し技を練習し、自分のものにしていかなくてはなりませんから、そいういった意味でも、水星の学習能力は体操選手にとって大きく影響しているでしょう。

それでは、内村選手にウイークポイントは無いのか、というと、そうはいきません。彼には、オポジションという対立をあらわす180度に位置する星がないのです。

オポジション自体は、対立、対抗、緊張といった意味を持つハードアスペクトですが、それが無いから良いというわけではありません。

周りと揉めたり対立したり、ということを好みませんし、実際に敵も少ないと思うのですが、別の見方をすると、ちょっと客観性に欠ける部分が出てくる可能性があるのです。

このような星を持って生まれた内村選手ですが、ロンドン五輪の団体でのまさかの失敗と個人総合での素晴らしい金メダルは、印象的でしたね。

それでは、明日は、持って生まれた星に対して、現在の星がどう影響するかということをみていきましょう。

後編へ続く~

「有名人で見る西洋占星術」シリーズ