この連載は、今現在日本で最も支持者の多いFacebook「1分で感動」を書いていらっしゃる吉永圭佑さんにインタビューをさせて頂いたものを、数回にわたりご紹介するものです。前回は幻の「月賀状」についてかかせていただきました。ある分野で誰よりも努力すると、やはりある分野で日本一になる。吉永圭佑さんから見えてきたのは、基本的かつ難しい成功ルール。私の感想を交えつつ、吉永さんの言葉には「」を入れて、決して誤解の無いように伝えたい。吉永圭佑さんから受けた感動を、皆様とシェアできたらいいなぁと心から願います。
文責:遠藤明美(TRINITY編集長、癒しフェアフェア実行委員)
―吉永さんの「1分で感動」が日本で一番フィード購読者数の多いFacebookになられたのは、いつ頃ですか?
「去年の春か夏ぐらいに日本一になりましたね」
―素晴らしいですね。今は講演をされたり?
「そうですね。長野で立志館っていう塾があって。そちらの方が勉強を教えるだけではなくて、子供の将来に役に立つことを教えたいっていう考えで。その人が、「感動」っていうテーマで授業をできないかと考えているときに、たまたま知り合って。それで彼のところの塾、長野の諏訪なんですけど。そっちの方で講演をさせてもらってますね」
―「1分で感動」というタイトルなんですけど、最初は趣味で始めたっていうことですと、「1分で笑い」とかでもよかったと思うんですけれど。感動っていうのは、やっぱり人に感動を与えたいってことでの命名だったんですか?
「そうですね。やっぱり僕はいい話を聞いたときに、涙が出るっていうか身体がぶるっと震えるというかしびれるというか。美術館で綺麗な絵を見たときも、だいたい一つの美術展で一つは気に入る絵があって、それもやっぱりぶるっと来るんですよ。それをシェアしたいなっていうのはありますよね。あとは読みたい人が多いと思いますね。たまに面白い話とかも紹介することがあるんですけど、あんまりウケがよくないんですよね。大体、読んでくれる人が25歳から54歳が多くて、そうするとあんまり笑いが通じない人もいるんです。感動話は広がっていくのが速いですね」
―お会いするために、遡って吉永さんの「1分で感動」を拝見してきました。どんな記事に「いいね!」が多いのかという視点で拝見した時、若干、これは泣けるなって話が多いのかなって正直思ったんですよね。何か……皆さん泣きたいんでしょうか?
「そうですね……ためになる話だと、成長したいって人には響くんですけど、そうじゃない人には響かないと思うんですよね。感動話ってほとんどの人に響くから。たまに感動話が嫌いって人もいるんですけどね」
―それはどんな人ですか?
「クールな人が多いですね(笑)。サバサバしているタイプの人は、あんまり感動系は好きじゃないかもです」
―そうですか。以前は自分でも原稿を書いていらっしゃるときもあったんですね?
「そうですね。最初mixiの頃とかは自分で書いていましたね。100いかないくらい、50から80ぐらい書いたでしょうか。そもそも文章と言うか本がすごく好きで、多いときには一日150冊買った日もありますね」
―それは達人です。速読はできるんですか?
「いや、速読はできないんです。だから150冊購入してもゆっくり読みますよ。本棚に置いておいて、時期が来て『今読みたいな』と思ったら読むって感じですね」
―150冊も持って帰れないから、送ってもらうんですか?
「そうです、アマゾンで買って(笑)。僕は楽だからいいんですけど、佐川急便とかが大変ですね」
―そうでしょうね(笑)。やっぱり記事に「いいね!」がたくさんつくと嬉しいですか?
「そうですね、嬉しいですね。でも「いいね!」がつくよりも、Facebookをやる前からなんですけど、メールマガジンを続けられた理由が、メールマガジンを毎朝配信して、たまに返事が返ってくるんですよね。たまになんですけど。若い女の子で、今日彼氏にふられてすごく落ち込んでいたんだけど、今日たまたまこれを見て少し元気になりました、っていう声だとか。あとは、主婦で高齢の方なんですけど、その方のお母さん……おばあちゃんの介護をしていて。介護って終わりがなくて苦しいけれど、毎朝これを見ていると少し楽になりますとか。そういう声が来ると、役に立っているんだなぁ、続けようって思いますね。「いいね!」の数よりこういうのがあるとすごく嬉しいですね」
吉永圭佑さんのことをとても素敵な方だなぁと思った一因は、彼がお金お金していないことです。また、急激な注目は人を天狗にさせがちですが、全くそんなところはありません。吉永さんと話していると、誰かの役に立ちたい、人を感動させることで元気づけたいということが「1分で感動」の原動力となっていると強く感じます。もちろん、働くことでお金を得ることは当然だと思うし、権利だと思います。けれど、全く新しい観念と言うか、お金以外がモチベーションとなり、大きなことを成し遂げることができるということが、すでに私にとっては感動なのです。よく、“お金が素晴らしいんじゃなくて、お金で何をするかでお金の価値が決まるんだ”なんて話を聞きますが、それ以前の、お金がなくとも動くことができる、人が動く時代に突入してきたと思います。吉永圭佑さんは新しい時代のモデルケースだと感じるのです。ところで、吉永さんの本棚ってどんな感じ!?
~PART.8につづく~
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