ホリスティックケア・プアマナの宇宙の法則・身体の法則 PART.19 『防御なき自己―パスワークを生きる』

横浜で女性のライフステージに合わせた鍼灸・美容鍼灸・疏泄マッサージの施術をさせて頂いているホリスティックケア・プアマナ(puamana)です。

霊的成長に取り組む人々への出色の書

スピリチュアルメソッドでは、ハイアーセルフと出合う、自己とハイアーセルフを統合するという目的がしばしば語られます。瞑想や内観を通してハイアーセルフとの絆を深めていくことは、霊的成長には欠かせないステップです。しかし、それだけで人生における苦悩の全てが一掃されるわけではありません。霊的な成長を目指す時、私たちは高みへ、より高みへ上ることをイメージします。ところが、崇高な自己に出合えば傲慢さや恐怖心、支配、執着といった自分の中のローワーセルフが自動的に消えてくれるわけではないのです。

『「防御なき自己」-パスワークを生きる―』は、霊的成長に真剣に取り組む人のためのパスワークというスピリチュアルワークをまとめた本です。「特筆すべき特徴としては、人間性のネガティブな面に向き合い、取り組むべき方法を説く章が含まれていること」とある通り、ほとんどの本では扱われていないローワーセルフへの対処の仕方に多くのページが割かれている本書は、霊的成長に取り組む多くの人々にとってまさに出色の書。もし、初めて手に取るスピリチュアル本が本書であれば、あなたの霊的成長の旅は多くの人に比べて少なくとも10年は短縮することができます。

悟りは何度もやってくる

私はここ10年ほど、悟りは何度もやってくるのだということを折に触れて感じるようになりました。スピリチュアルな学びを始めた当初はヒーリングメソッドを一通り終えれば、あるいは一度ハイアーセルフに出合えば、悟りを得て完全で統一された自己が実現すると信じていたのです。

ところが、ヒーリングを受けたばかりの時に感じた完全性や自己統一感は、日常生活を送るうちに次第に薄れ、そればかりかまた新たな問題が次々と襲ってくるのです。浄化の涙を流し、全ての行為や人を許せるように感じたはずの自分が、他人のささいな行為に傷ついたり腹を立てたりしていることに気づくたびに、私は大きな落胆を味わいました。そして、前回のヒーリングでは不十分であったのだと考えて、新しく別のメソッドの本を探したり、その内容を試したりすることを繰り返してきたのです。そんな時、「ありのままの自分を愛するように」「あなたはそのままで完全である」という言葉を聞くことは苦痛ですらありました。自分は全く完全ではない、人生をうまくやれていないとしか感じることができなかったからです。ところが、ある時「悟りは何度もやってくるのだ」ということに気づきました。自分にとっての一つの課題を解決すると、また次の課題がやってくる。凡人の自分にとっては一生かけて課題を解決し続けていくこと、できる限りの霊的成長を続けていくことが人生の目的なのだとやっと「一つ、悟ることができた」のでした。

スピリチュアルに生きる全ての人へ

本には、霊性への道には「多くの段階」があり、パスワークは「普遍的な霊性へと至る道のさまざまなレベルの案内図とプロセスを示して」くれると書かれています。本書の副題にもあるように、パスワークを始め、霊的成長とは、提示されたワークを一通りこなすことではなく、一生を通してその理念を生きることなのです。

防御なき自己の、防御とは、ローワーセルフを表面化させないためだけではなく、ハイアーセルフの声も曲解させてしまう我々の自我が作ったマスクのこと。本書を読むうちに、霊的成長とは私たちが人生における出来事を通じ、一生をかけてたくさんのマスクを取り除きながら防御なき自己を実現していくことなのだということが腑に落ちてきます。

霊的成長のためには大変重要で、そして最も困難な個々のプロセスを乗り越える超実践的な理論と、そして同時に勇気を与えてくれる本書を是非お読みいただきたいと思います。

『防御なき自己―パスワークを生きる』
スーザン・テセンガ 著
二宮千恵 翻訳
ナチュラルスピリット
3,014円(税込)