今年の冬は例年よりも一段と寒さが厳しく、外出するのもためらうような日々が続きますが、私の周りでは不思議と風邪を引く人がほとんどいません。これは、おそらく免疫力に由来するものだと考えられます。ところで、「免疫力が強いと風邪を引かない」という言葉をよく耳にしますが、では「免疫はどのようなしくみで働いているのか?」と聞かれると、意外と答えるのは難しいものです。今回は、なんとなく分かっているような気がするものの、イメージするのがちょっと難しい「免疫のしくみ」について簡単にお話したいと思います。
病原体やウィルスの侵入を察知して
身体の免疫システムが作動する
私たちの体の中には、風邪などの病原体が侵入したときに病原体を食べてくれる「食細胞」という免疫細胞がいます。食細胞は、体の中で病原体に出会うとこれをパクパクと食べてくれる心強い味方です。これで「病原体対策は万全!」……なら良いのですが、食細胞は比較的大きな病原体は食べることができても、病原体が作り出した毒素やウイルスのような小さなものは食べるのが苦手です。また、細胞の外で出会った病原体は食べてくれるのですが、細胞の中に入り込んでしまった病原体は食べることができません。このようなとき、食細胞の中には助けを呼びに行く細胞がいます。この細胞は、自分が出会った病原体の情報を伝えることを専門とするプロの情報屋です。情報屋は病原体の情報を手に、助けを求めてリンパ節へと向かいます。リンパ節にたどり着き、情報を手渡す相手はヘルパーT細胞です。情報を受け取ったヘルパーT細胞は、武器を携えたB細胞に攻撃開始の命令を下します。B細胞の武器は「抗体(こうたい)」と呼ばれる弾丸を込めたライフル銃のようなもので、B細胞はこのライフル銃でウイルスや毒素に向かって次々と抗体を発射し、無力化していきます。また、抗体にはおもしろい特徴があり、弾丸でありながらスパイスの一面も併せ持ちます。食細胞にとって『普通のご飯』である病原体に抗体がくっつくことによって、その姿を『本格チャーハン』へと生まれ変わらせ、食細胞の食欲をいっそう亢進させます。
頭部の老廃物を排泄することで体内環境良化
白血球の働きもスムーズに
私たちの体は、このように複数の手段を用いて病原体に対抗しています。また、食細胞、ヘルパーT細胞、B細胞などの免疫細胞は、血液細胞に属し、白血球と呼ばれています。すなわち、免疫力を高めるためには、白血球が正常に働けるような良い血液環境を作ることが大切であるといえるのではないでしょうか?アロマタッチをご利用されている方の多くが風邪を引きにくくなるのは、定期的に頭部から老廃物を排泄することによって、きれいな体内環境を維持し、常に白血球がスムーズに働ける状態を保っているためなのかもしれません。次回は、今回話しきれなかった免疫のさらなるしくみについてお話したいと思います。
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