おから料理研究家 杉リンの 食とアロマで薬いらずPART.5~天然成分vs合成物質~

おからとアロマをこよなく愛する杉リンが、植物が私たちの健康に与える偉大な作用を、おからとアロマからアプローチ。
今回は、植物由来の天然成分と、石油由来の合成物質の作用のお話です。

 

1、ビタミンCの天然と合成

今年も冬本番。風邪対策にとビタミンCなどを摂る方もいらっしゃると思います。
ビタミンCはタンパク質とともにコラーゲンの材料となります。コラーゲンは細胞と細胞の間のセメントみたいな役割で、コラーゲンが良質だと菌やウィルスの繁殖を抑えたり、メラニン色素の繁殖を抑えて日焼け防止や美白に効果があったりします。
このビタミンCには天然のビタミンCと合成のビタミンCがあります。
天然とは植物が作りだしたビタミンCで、アセロラやグレープフルーツに豊富に含まれています。天然の場合は、ビタミン以外にもポリフェノールやフラボノイドなどのファイトケミカルスと言われている物質も一緒に摂ることができ、高い活性酸素除去能力があります。
一方で合成とは、石油などを原料に天然のビタミンCと同じ化学構造の物質を人工的に作り出したもの。合成のビタミンCを原料にコラーゲンが作られたとしても、活性酸素除去能力がないどころか、活性酸素を発生させてしまいます。
この活性酸素は、疲労や老化の原因であり、ガンを誘発したり遺伝子に損傷を与えて遺伝的な病や奇形などの原因も作ります。

 

2、柳の鎮痛効果と鎮痛剤

医学の父と呼ばれるヒポクラテスは、柳の樹皮や葉を鎮痛や解熱に用いたとされています。19世紀後半に柳の薬効成分の分解物サリチル酸の合成に成功し、現在も鎮痛剤•解熱剤として販売されているアスピリンが作られました。これが植物由来の天然成分に代わり、石油を原料として化学合成により様々な薬品が作られる始まりです。これにより、工場での大量生産が可能になり、大きな利益を生むこととなりました。
以来、石油や石炭を原料として、様々な薬品が開発され、農薬や肥料から繊維まで、天然成分に変わる化学製品が開発され、今日では私たちの生活に浸透しています。
こうして作られた薬品には副作用が認められてますが、その他の合成物質には副作用のようなものはないのでしょうか?

 

3、フィンランドショック

1994年にフィンランドで行われたある実験があります。50~60代男性喫煙者29,000人のうち、抗がん作用があると言われるベータカロチンの合成を与えるグループと、その偽薬を与えるグループの肺がん発生率の追跡調査を行った結果、偽薬よりも合成のベータカロチンを与えたグループの方が肺がん発生率が高かったそうです。石油を原料とする合成物質の発がん性のリスクの高さを証明する実験となりました。抗がん作用があると言われている物質でさえも発ガン率を高める合成物質。その原料は石油。天然成分は植物が本来、紫外線や害虫•病気から自分の身を守るために作り出したもの。合成と天然では、大違いなのです。

 

4、新鮮素材で健康に

石油が原料の物と言えば、代表はプラスチック。他にはアスファルト。そのようなものと同じ材料で私たちの体ができていると思うと気持ちが良い物ではありません。
また、化石燃料を燃やすことで硫黄酸化物や窒素酸化物が発生し大気汚染を引き起こしてます。プラスチック製品を燃やすことでダイオキシンが発生すると言われてます。体内でもエネルギー代謝が行われている訳で、石油を原料にしているものが体内で燃焼しても問題ないのでしょうか?
化学合成の物質が開発されてまだ150年足らず。私たちの体に入ってきてびっくりしてもおかしくありません。
植物由来の天然成分を摂ってあげることで、私たちの遺伝子は喜んで、自然治癒力が発揮され、薬いらずとなるでしょう。

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