“医者に頼らない”、“いいかげん”が健康の秘訣!? 体調も崩しやすい今こそ、興奮する“健康”書籍2冊

秋は読書の季節ですね。まだ夏のような日差しが時折顔をのぞかせますが、朝は清々しく、夜は静かな空気感が秋を感じさせてくれています。

秋といえば、食べることも楽しみの一つ。そんな時に健康についての本なんて、気分台無し!と思うかもしれませんが、今日ご紹介する2冊は、健康的な生活を心がけたいのになかなかできないと、もがいている方たちにこそ読んで欲しい本です。

どちらもお医者様が書かれた本。西洋医学の問題点、そしていつの間にか植えつけられた健康信仰のまやかしを医師である著者が、次々と台風のように吹き飛ばしてくれます。

順天堂大学医学部名誉教授である奥村康氏の「~免疫力アップがすべてのポイント~“健康常識”はウソだらけ」(WAC)では、医師の視点でさまざまな研究結果などとも照らし合わせながら、“健康の概念”を打ち砕いていきます。

健康の基本は免疫力。そして、その免疫力を左右する最大の敵がストレスであるという奥村氏いわく「真面目な人より、いい加減な人の方が長生きするし、病気になりにくい」そうです。

真面目だったり、責任感が強い人は、人付き合いによるストレスを溜めやすい。
これは皆さん納得ですよね。そしてそういった人は、健康管理も非常にストイックに自分に強いる傾向があるはず。

フィンランドで15年間にわたって行われた調査があります。同じ年代で環境が似ているグループを、健康管理をしっかり行うグループと何もしないグループに分けて追跡調査したところ、前者は600人中67人が死亡したのに対して、後者は46人しか亡くなっていなかったそうです。このなかには病気による死亡だけでなく、自殺者数も真面目グループの方が多かったという結果に。

欲求や願望を徹底的に抑え込むことで生まれるストレスが、物質的な食事や運動といった健康法を時に凌駕して、免疫力を弱めてしまうんですね。小腸にガンが少ないのも、小腸が脳の支配を受けていないためにストレスの影響を受けないことがあげられると言います。

ほかにも、

・“50歳までタバコを吸い続けたのなら、禁煙の必要はない”→止めた時のストレスの方が身体に悪い
・中高年になってからのジョギングは要注意
・コレステロールが低くなるほどガンによる死亡者が増える
・ダイエットも粗食も身体に悪い
などなど、健康的な生活が送れない人にとっては“それでいいんだ”という福音となるようなお話がたくさん書かれています。

もちろん病院治療の限界を嘆いていながらも
・免疫力を簡単にアップさせるのは笑うこと
・健康診断のなかでも血糖値には注意するべき
・免疫細胞の活性化のさせかた
など、健康を維持するための、アクティブな秘訣も教えてくれています。

もう一冊は、今、世の奥様が体調を崩す理由は夫にあるという「夫源病」が叫ばれていますが、医者が健康を破壊する「医源病」をうたう医学博士・岡本裕氏の著書「9割の病気は自分で治せる2~おいしい患者にならないために」(中経文庫)。

病院にいくとついついお医者さんの言う通りにしてしまうという人に、「それではダメ!」と警笛を鳴らす本書。

実はこちらでも、自己治癒力を高める生き方として、「嫌なことを無理にしない」「自分のしたいことをしよう」「何事も“いい加減”がちょうどいい」ということを秘訣にあげていらっしゃいます。

また、もっとも身体に悪いストレスは、「ガマンしようと思えばできるストレス」を長期続けることだそう。「私には無理!」っと、すぐに判断できるような大きすぎるストレスは、どの道継続できる状態ではないので、実は心身にはそれほど影響がないとか。

本書ではわかりやすく綱引きにたとえられていますが、一番疲れるのは相手と力が拮抗し勝負が長期にわたった時。負けた時のことを考えても、圧倒的な差で一瞬にして負けが決まったのならあきらめもつきますが、長く拮抗したあげく、「あとちょっとだったのに…」と思うような負け方をした方がダメージが大きいことは容易に想像がつきますよね。

恋愛問題だって、3日で大ゲンカして別れるよりも、3年付き合って「やっぱり私たちダメだ…」となった方が立ち直りに時間がかかるもの。失った時間分の後悔もついて来ちゃうわけですから、恐ろしい限りです。

本書では、現代医療の実態とともに医者・病院の選び方・付き合い方のレクチャーがとにかく徹底的。医者を選ぶ基準から、そもそも医学博士って何だ?というところにも言及。ガンなどにおいてはゴッドハンドを持つ手術の名医がイコール、病気を治癒させる名医とは限らないという、日本のスーパードクター信仰の問題点も指摘し、病院や医者の評判を知る方法なども紹介されています。

読みながら時々「ピンポ~ン」(医薬品のCMで注意を促すためのあの音)と頭のなかで鳴るような本。西洋医学よりもホリスティックな医療を好んだり、幸せな人生という意味で心も含めた健康を考えていることが多い方にも、改めて医療や健康について新しい“風”を入れてくれる2冊です。