マヤの叡智を伝える 5 by 柳瀬宏秀  「時間は、オーガニック・オーダー」②

▼進化のための
「コズミック・ダイアリーの7つの習慣」
http://cosmic-diary.jp/cn6/7initiation.html

 

「時間は、オーガニック・オーダー」というキーワードで、日々自然を観じる。
————自然が先生。お蔭様の認識、仏教の因果がわかる。悟りの道。

周期としての時間
「カラスは時間のことは考えないはずだ。時間の観念はおそらく人間にしかないものだから」
「どうして」
「人間は時間を直線として捉える。長いまっすぐな棒に刻み目をつけるみたいにね。こっちが前の未来で、こっちが後ろの過去で、今はこのポイントにいる、みたいに。それは、わかる ?」
「たぶん」
「……便宜的にそれを直線として認識する。そういう観念の置き換えができるのは、今のところ人間だけだ」
「でもわたしたちのほうがまちがっているのかもしれない」
天吾はそれについて考えた。「時間を直線として捉えることが間違っているかもしれないということ? 」

返事はない。
「もちろんその可能性はある。僕らが間違っていて、カラスが正しいのかもしれない。時間はぜんぜん直線みたいなものじゃないのかもしれない。それはねじりドーナツみたいなかたちをしているかもしれない」と天吾は言った。「しかし人間はおそらく何万年も前からそうやって生きてきたんだ。つまり時間を永遠に続く一直線として捉え、そのような基本認識のもとに行動してきた。そしてこれまでのところ、そうすることにとくに不都合や矛盾は見出せなかった。だから経験則としてそれは正しいはずだ」
「ケイケンソク」とふかえりは言った。……ふかえりはしばらく黙っていた。
(村上春樹著 『1Q84』 BOOK 3  p65-66 より)

「1984年」に対して『1Q84』というタイトルにして、パラレルワールドを表すこの小説を読んでいて、思わず顔がほころびました。104回行った「コズミック・ダイアリー・セミナー」でも、今、行っている講座「マヤの叡智」でも、冒頭、目を瞑ってもらって、
「今まで、過去、現在、未来と、一直線上に時間が流れると教えられてきたかもしれません。
でも、マヤでは、今、ここ。
今、ここから、過去も、未来も、らせん状に展開していく時間に、馴染んでもらいます」
という言葉で、いつも始めているからです。

まず、時間は、過去、現在、未来と直線上に流れていくものだと教えられ、そう思っているかもしれませんが、マヤの時間は、宇宙の周期です。
少し、考えれば、あたり前の科学的認識です。地球が太陽のまわりをまわる周期、公転が1年という周期です。つまり、それが時間です。
日の出から日の出までの、つまり、地球が1回自転する周期が、1日という時間。小学生でも知っている事実です。

時間は、宇宙の周期です。
「それで ? 」

そう、確かに、定義を立てても大して意味がありません。
でも、「時間は、宇宙の周期」という認識を叡智に育てることができます。自然時間を感じ始めます。そうすると、今の多くの人の人生が、生活がまったく変わります。仏教で言う「因果」が普通のこととしてわかり始めます。見え始めます。

自然界の因果が見える。つまり、「観える」のです。
つまり、悟りのすぐそばまで、それだけで行けるのです。