身体のなかのエアコンをメンテナンスしませんか?~視床下部の大事なはたらき~

暦の上では秋ですが、厳しい暑さが続き、体にも負担のかかる毎日です。
ところで、この猛暑にもかかわらず、人間が一定の体温を維持できるのはなぜでしょうか?

ここで思い出すのが、昔、理科の時間に教わった変温動物と恒温動物の話です。
「人間は恒温動物なので、外の温度が変化しても体内温度は変りません。」と教わりました。それを聞いた瞬間、「いったいどのような仕組みで体内温度を一定に保つのだろうか?」というひとつの疑問が頭のなかに浮かびました。
そこで今回は、体内温度を一定に保つ仕組みに関するお話をさせていただこうと思います。

ヒトの手足や皮膚の温度は、変温動物と同じように環境に応じ、温かくなったり冷たくなったりのように変化します。
一方、体の深い部分での温度は平均37℃と一定に保たれています。温度が一定に保たれているということは、発熱と放熱のバランスがコントロールされているわけですが、この働きを行っているのが脳内にある「視床下部(ししょうかぶ)」と呼ばれている場所です。

視床下部は、脳全体の約1%を占めるに過ぎない小さな部分ですが、生命を維持するために大切な数々の役割を担っています。そのひとつが体温調節機能で、「体内エアコンの温度センサー」ともいえる機能です。視床下部では体温と基準値が比較され、基準値より体温が高い場合、皮膚血流が増加することにより熱を体内から皮膚表面に運び出すと同時に、汗の量を増やすことによって皮膚の表面を冷やし、放熱します。反対に基準値より体温が低い場合は、主に筋肉を震わせることによって発熱します。

また、風邪を引いたときなどの病気の際には、発熱物質が視床下部の温度センサーに作用し、基準値が引き上げられます。このため風邪の初期では悪寒やふるえなどといった症状が表れます。
ピークを過ぎると基準値が正常値に戻るため、皮膚の血管が拡張され、発汗が起こります。

最近、体に優しいという理由で漢方薬が多く使用されるようになりましたが、漢方薬はこういった生体反応を利用することによって症状を改善させることを目的とし、段階に合わせて処方を変えていきます。

そして、私はその効果をより大きく引き出すために大切なのが、「血液のクリーンアップ」と「良好な脳内環境づくり」だと考えています。アロマタッチの主な目的は、消化器で排泄できなかった老廃物を頭部から排泄することと脳に対するアプローチです。漢方薬の服用と同時に頭部からのデトックスを行う「漢方薬アロマタッチ」は、アロマタッチが漢方薬のブースターの役割を果たし、目を見張るべき成果を上げています。

夏バテのダメージを早めに回復させるためには、身体のなかのエアコンをメンテナンスすることも大切なのではないでしょうか?