花や生き物たちにあふれた夢とメルヘンの世界へ ~クライドルフ展~

いつまでも忘れたくない気持ちってありますよね。
キレイなものに感動する気持ち、頑張っている人を応援する気持ち、
何かにワクワクする気持ち。

大人になるほど失いかけてしまう、この気持ちを取り戻させてくれるのは、
子供のような無垢な眼差しと自由な想像力で、小さな生き物たちを主人公にした不思議な世界を詩情あふれる文章とともに生み出した絵本画家エルンスト・クライドルフ(1863-1956)。

スイスではいまでも子供たちに愛され読みつがれる国民的な絵本画家で、
19世紀から20世紀初頭にかけてのヨーロッパにおける絵本の黎明期を代表する一人としても、
評価の高いアーティストです。

このエルンスト・クライドルフの作品展が、渋谷bunkamuraミュージアムで6月19日より開催されます。

この作品展は、美しい自然と豊かな芸術の国、スイスで育まれた画家クライドルフの作品世界をベルン美術館寄託の作品を中心に約220点でたどる日本で初めての大規模なクライドルフ回顧展です。

ミュンヘンの美術学校で優秀な成績を収めていたクライドルフは、
学費を稼ぐために働きすぎたことが原因で体調を崩し、祖父母が住むアルプスで療養生活を送ります。

アルプスの大自然に息づく小さな生き物たちの世界の体験が、独特な世界を創造する原動力となりました。幼いころから花や植物、虫のスケッチをすることが好きだったクライドルフ。

植物や花を擬人化して命を吹き込むことで、幻想的な世界をつくりだしました。
まさにさまざまな精霊、スピリットと繋がっていたクライドルフ。

柔軟な発想と、穏やかな視線は、日頃の忙しさからちょっと抜けださせてくれます。
(上の写真)
『花を棲みかに』より《まま母さん》
水彩、墨・紙    1926年以前
ベルン美術館
ⓒProLitteris,Zϋrich

(Data)
日 :2012年6月19日(火)~7月29日(日)
時間:10:00-19:00(入館は18:30まで)
休館:開催期間中無休
場所:Bunkamuraザ・ミュージアム
料金:1,300円(一般)
問い合わせ:
Bunkamuraザ・ミュージアム
TEL.03-3477-9413