自然界のすべてに通じる古代中国思想「五行論」PART.1

皆さんこんにちは。美容鍼灸師の折橋梢恵です。
前回は、陰陽論についてご紹介をさせて頂きました。今日からは、陰陽論と同じくらい有名な五行論(五行説)についてお話していきたいと思います。

五行論(五行説)とは、古代中国で生まれた哲学思想で、世の中に存在するすべてのものを五つの要素に分けています。暦(こよみ)をはじめ、さまざまな思想や民間の間で広がった信仰宗教などにも応用されています。もちろん東洋医学(中国医学)においても、人間の体の働きと結び付けて、診断や治療面でもこの五行の考え方を役立てています。

五行論(五行説)で、要素の基になるのが、木・火・土・金・水という五つの性質です。
この木・火・土・金・水、ですが、私たちの身近なところで使われていますが、なんだかお分かりになりますか?

答えはカレンダーです。
配列は変わっていますがカレンダーの曜日をよくみると火・水・木・金・土曜日に使用されていますね。しかし一週間は7日間です。曜日があと2日分足りないですよね。実はここには、以前ご紹介した陰陽論の考え方が関係しています。陰陽論の基本である陰と陽は、「陰=月」と、「陽=日」になります。つまり月・日の二つの要素を加えることで、一週間を意味する七つの曜日に該当するのです。

このように五行論(五行説)は、身近な私たちの生活の中にもいろいろな場面で活かされているといえます。
この他にも例えば、季節を五つの性質に分ける五季(春、夏、土用または長夏、秋、冬)方位を五つの性質に分ける五方(東、南、中央、西、北)色を五つの性質に分ける五色(青、赤、黄、白、黒)味を五つの性質に分ける五味(酸っぱい、苦い、甘い、辛い、しょっぱい)などがあります

また東洋医学では、五行を人体を作っている器官や組織に当てはめて、臓器を五つに分けた五臓(肝、心、脾、肺、腎)五感を主る器官を五つに分けた五官または五根(目、舌、口、鼻、耳)、人体に存在する液体を五つに分けた五液(涙、汗、涎、涕、唾)などがあります。

実際には、世の中のものを全て5つに分けることはとても難しいのですが、それでも古い時代にこれだけの理論を構築したことはすごいことで、現代でもこれらの知識を理解し応用することで様々なことに役立てることができます。

次回からは、今回ご紹介した五行論(五行説)の基本となる木・火・土・金・水についてそれぞれ回を分けてそれらの性質について詳しくご紹介していきたいと思います。

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