清川あさみさん×南果歩さん「美女採集」トークショーレポート

新刊「美女採集」が4月26日に発売され、表参道ヒルズにて個展が開催されるなど、今とてもホットなアーティスト、清川あさみさん。「美女採集」とは、女優やタレント、ミュージシャンなどお気に入りの美女を「採集」して、その美女に合う動植物をテーマに清川さんが衣装制作・撮影・アートワークまで手がけて作品にしていくというシリーズ企画です。現在は講談社の『FRaU』にて「美女採集 neo」という連載を展開中。若い女性を中心にファンが多く、個展には連日長い行列ができるほどの大人気ぶりなんです。そんな彼女が「採集」した美女のひとり、南果歩さんと清川さんのトークショーを取材してきました!

清川さんと南果歩さんは美女採集の撮影で初対面だったのですが、普段行きつけのお店が同じだったそうで、南さんは初めて会った感じがしなかったのだとか。この偶然にお互いびっくりして、ひとしきり食べ物の話で盛り上がった後、撮影スタート。南さんが持っている清川さんのイメージは「すごく繊細なものを作る人なんだけれども、イメージが頭にぱっと浮かぶと思い切る行動する男らしい部分もある」人とのこと。たとえば南さんの美女採集の衣装は、スリップドレスの上にシフォン生地や透け素材の生地を何枚か巻き付け、襟を後付けしたものだったのですが、清川さんがよりイメージに近づけるために手持ちの普通のハサミで裁断したことも。そういう姿を見て清川さんの大胆さを感じ、「感覚的イメージに乗って行動していく人なんだ」という印象を受けたそうです。

清川さん自身は自分について、繊細さと大胆さ、主観と客観を持ち合わせていると感じているそうで、南さんが「あさみちゃんは、客観的に見る目がある。すごくはいりこんでいる自分と、俯瞰している自分とが同居している感じ」と語った時、「どうして分かるんですか?!」と少し驚きつつ、とてもうなづいていました。清川さんは「人」に興味があり、口では言えないけれども実は裏で闘っていたり苦労したりしている、そんな隠したいような部分についてとりわけ関心があり、ここを自分なりにつかまえて表現することが楽しいと感じていると話していました。

なかなか表に出ない人の裏側を表現するのは責任もあるので大変ではあるものの、どうキラキラみせていくのか考える大変さがあるからこそまた面白みも感じると笑顔で語る清川さん。特に下絵は描かず、イメージを作品に直接注いでいくスタイルで制作しているそうです。「整っているのがなんか嫌なんです。どこか、レールの上を走りたくないというのがあって。きっちりしたものより、少し整っていない状況の方が、人は気になるもの。作品でいうなら、そういう整っていない部分がコンプレックスなど女性の裏側につながっていくと思うんです。だから作品づくりで使用するミシンは壊してから使います。あえて少しゆるめて糸調子を狂わせるんです。」「日常というリアルにファンタジーを入れたい。ファインタジーだけだと夢心地すぎる。少し夢、少し現実。夢と現実の間を表現していきたい」など、清川さんの世界観に触れることのできるお話をたくさんうかがうことができました。

個展「清川あさみ 美女採集」は5月6日18時まで。入場無料。会場では新刊「美女採集」の販売も行われています。今回、この個展でしか入手できないオリジナルグッズもありますよ。日常の暮らしからふっと一瞬、旅に出たような感覚を味わえる素敵な空間です。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。