ダライ・ラマ法王は突然車を止めさせて、大きく叫んだ！！
「この山のエネルギーは、凄い、車を止めてください」と。
ロッキーを訪れたダライ・ラマ法王は、移動中の車のドライバーに突然そう告げた。
それは、カナディアンロッキーが内陸に向かって、ほぼ終わろうとしている、キャンモアという、人口１万人足らずの、小さな町のどこからでも、三つの美しい三角形の峰を持つ、スリーシスターズという名の山のことだった。

海底が気の遠くなるような歳月のあとに隆起し、その後に今度は激しく氷河の流れによって削られた姿は、まさに自然アートの究極美といえるだろう。

車から降りた師は、しばし無言で静かに目を閉じ心眼で、この山とひとつになり、ひとつ大きな深呼吸をした。多分この山のエネルギーを、全身で感じ取っていらしたという。

そして、この山のすぐ近くの、透明度１０という小さな湧水の湖には、１万年前に先住民たちによって描かれた、岩壁画が時空の変化を見つめている。