シミと紫外線の意外な事実~DNAのデータを壊す?紫外線~

シミはどうやってできるのでしょうか?
ご存知、紫外線ですね。

でも意外と知られていないのは、

(1) 人が一生のあいだ浴びる紫外線のうち、半分は成人するまでに浴びてしまっている!と言う事と
(2) 若いうちに浴びた紫外線により作られたシミの予備軍は、肌の奥に潜伏しており、出現の時を待っている!

……と言うことだと思います。
では、もうちょっと詳しく説明します。

1998年に母子手帳から「日光浴のすすめ」が消えたのはご存知でしょうか?
日光浴は昔から体に良いとされ、奨励されて来ました。私の母が子どもの頃は、「くろんぼ大会」などと称して、真っ黒に焼けた日焼けを競い合う大会が小学校などで開かれていたそうです。

日焼けは健康と美の証しだったのです。
ところが近年になって紫外線は百害あって一利なし、と言うことが判明しました。

いまさらそんな事言われても、困りますよね! 実は日焼けで肌が褐色になる事自体は、別に悪い事ではありません。

メラニンは皮膚細胞を紫外線から守る天然の日除けの帽子なのですから。
(皮膚細胞の顕微鏡写真をみると、細胞はその名も「メラニンキャップ」というメラニンのかわいい黒い帽子をちょこんと頭にのせています。)

……では、紫外線はなにがいけないのでしょうか?

紫外線の悪いところは、表皮細胞のDNAを傷つけることなのです。
DNAとは細胞の再生をつかさどる大事な情報が書かれている、いわば「細胞の作り方マニュアル」。

紫外線はこのマニュアルに書かれている大事な情報を消してしまう、いたずらっ子の消しゴムのような存在。
DNAは大事な情報なので、紫外線で消されてもすぐに元通り書きなおされます。
但し、何度も何度も書きなおされてるうち、時々、間違いが起きるんです。
(細胞もたまにはケアレスミスがあると言うことですね。)

DNA(皮膚細胞の作り方マニュアル)の情報が間違っていると、欠陥品の細胞が作られてしまいます。
欠陥にも色々あって、皮膚ガン細胞になってしまう怖いものもありますが、よくある欠陥が、必要ないのに際限なくメラニンを作りつづけてしまう欠陥。
これがもっとも一般的なシミ。 光老化によるシミです。
(注:シミには23種類の種類があります。ここで触れているのは最も一般的な光老化によるシミです。)
若いうちは、まだDNA書き直しの回数が少ないので、修正間違いがほとんど無く、シミがでる事はまずありません。ところが、20代をすぎる頃に強い日焼けをしたり、吹き出物を作ってしまったりすると、すでに上限近くまで積み重ねられてきたDNAの修正間違いの上に、さらに傷がつけられます。

その結果、メラニンを作る遺伝子のブレーキ機能にとうとう欠陥が出てしまい、際限なくメラニンを作りつづける欠陥品の皮膚細胞が生まれます。

……これがシミの主な原因だったのです。もし、あなたが若いうちに紫外線を大量に浴びてしまっていれば、シミは防ぎようがない宿命なのです。が、あきらめるのは早いです。

シミを完全に防ぐ事は出来なくても、欠陥細胞の出現を遅らせれば良いのです。
どのように遅らせれば良いのでしょうか?

これ以上、DNA修正間違いが起きないようにすれば良いのです。

そもそも細胞が修復時にケアレスミスをしなければ良いのですが、そういうわけにも行かないので、DNAの傷をこれ以上増やさないようにして、細胞がDNA修復作業をなるべくしなくてもいいようにしてあげれば良いのです。

適切なUVケアにより紫外線を防ぐ事。を心がけましょう。
その他、紫外線以外にも活性酸素や、過度のマッサージ、過度の洗顔、ニキビをこじらせることなどもシミの原因になりますのでご注意くださいね。