そんなふうに、みんながバラバラに動いているわけですので、家族がみんなで集まって食事を出来る家というのも減って来たのではないでしょうか。
『サザエさん』の磯野家のようなステレオタイプの家庭は今となっては当たり前の日常では無く、理想の家族像です。
結果、夫婦も親子も全員がそろうのは難しくなってしまったのです。
「ご飯は冷蔵庫に入っています。帰ってきたらレンジでチンして食べて下さい」というような時代に本格的に突入してしまったのです。
最近の若い人は恋愛にすら興味が無いとか、『ぼっち』が流行っているとか少子化だとか、いろいろ言われていますが、これらも、この社会的背景が大きく影響していると思います。
人と人とが仕事以外でつながれないのです。
恋愛を望んでもスケジュールが合わない人とは関われません。
せっかく家族がいても苗字が同じで同じ家に住んでいるだけで、一緒に何かをする事は無いのです。
これでどうやって恋愛して結婚して家庭を作って子供を増やせというのでしょうか。
スケジュール調整こそがストレスみたいになってしまうなら、いっそ『ぼっち』の方が気楽で良いと思ってしまっても仕方が無い気がします。
人間関係が希薄になり、コミュニケーションという言葉が注目され、インターネットの人間関係を重視する人が増えても仕方が無い状況なのです。
それらの奇々怪々な現象は不思議な事でもなんでもないのです。
話をクリスマスに戻します。
そのような背景を考えると、そもそもどうやってクリスマスを楽しめばいいのでしょうか。
クリスマスは繁忙期だと言ってシフトを入れられてしまった人はどうすれば良いのでしょうか。
クリスマスを楽しむどころでは無いのに、一方でクリスマスケーキ販売にノルマがあって売れ残ったら自分買い取りみたいな事を言われている気の毒な人たちも存在しているのです。
家族が集まって団欒できない。
彼氏彼女と会えない。
これでは、誰と何を祝うのかという話になります。
「クリスマスだっていつもと同じ毎日の延長だよね」と言うしかありません。
「ゴメ～ン。そのうち、きっと穴埋めするよ」と言って忘れられてしまう人も多いと思います。
楽しいクリスマスを過ごして下さいね！
みんなが違った時間に違った事をする時代になり、仕事の幅は広がったが人と人とのつながりは希薄になってしまった。
クリスマスは経済効果をアップさせるためのきっかけと化してしまった。
これらの要因がクリスマスを衰退させてしまったのではないかと僕は考えています。
クリスマスは祝うから盛り上がるのです。
盛り上がるから活発になり経済も動くのです。
祝う余裕も時間もタイミングもなければ、盛り上がりません。
盛り上がらないのに煽っても疲れるだけです。
疲れるくらいならクリスマスなんて無い方が良いです。
もしかすると、そんな悪循環に疲れ果ててしまった人たちがクリスマス離れをしてしまったのではないでしょうか。
経済効果も、仕事も大事です。大事なのはわかっていますが、もしもクリスマスを本当に重要なイベントだと思うのならば、クリスマスに、みんながゆっくり団欒して幸せ気分を味わえるように事前に、仕事なりなんなりを片づけてしまって、きちんと予定を開けられるようにみんなで助け合うように心の在り方をシフトチェンジしなければなりません。
ところで、サンタクロースってどういう人のところに来るかご存知ですか。
『良い子』のところにやって来るのです。
お金（仕事）の事だけを見ていたら、サンタクロースはきっとトナカイをUターンさせて帰ってしまうと思います。
お金（仕事）じゃなくて、人を見て下さい。大切なのは相手を思い遣る気持ちです。
人と人と、心と心が触れ合う環境を意識して見て下さい。
一緒に触れ合って、お喋りして、食事をして、笑いあって……。
人と人とのつながりの暖かさを思い出して下さい。
サンタクロース、きっとあなたの元にやってきますから。
メリークリスマス！
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