ココロセラピストが語る!『悩みを相談される人の悩み』とは?

できることなら解決してあげたい。そう思う事はとても重要です。 しかし、同時に自分自身が問題を抱え込んで自滅になってしまわないようにする事も大事です。

 

相手は何を求めているのか?

人は話をすると癒されます。問題を解決できずとも、お喋りをしている事でストレスが解消される事もあります。話しながら、自分自身で何かに気づく場合もあります。カウンセリングはまさに、その技法です。自分自身に気づきを得て貰う事を目的としています。

しかし、相手によっては話を聴いて欲しいわけではなく、具体的な助言を求めているかもしれません。「カウンセリングは傾聴が基本!助言はしないんだよー」なんて言っても、通用しません。そもそも相手はカウンセリングを希望しているなんて言っていないからです。
「話なら聴くよ」という表現を使っても、相手は本当に聴くだけなんて思っていません。「話をする」と認識する可能性が高いです。

「話をする=カウンセリング」ではないのです。「話をする=コーチング」かもしれませんし「話をする=意見をぶつけ合う」かもしれません。「話をする=助言する」かもしれませんし「話をする=ユーモアを交える」かもしれません。もしくは、それらの複合的なものかもしれません。

確かに最近は傾聴ブームです。しかし、必ずしも相槌を打ったりオウム返しをすれば良いわけではありません。逆に、解決策を提示すれば良いと言うわけでもありません。

本当にただ話を聴いて欲しいだけの人もいるかもしれません。具体的な助言が欲しい人もいるかもしれません。逆に助言を求めているわけではないのに助言をされると関係がこじれてしまう場合もあります。人によっては叱って貰いたいという場合もあります。
愚痴や悩み相談の時は、相手はどのように接して欲しいのかを考える事が重要です。

 

いつ話が終わるの?

助言はいらない。話を聴いて欲しそうだ、という事がなんとなくわかったとします。ならばひたすら話を聴けば良いと思うかもしれません。基本、それで良いのですが、そうすると別の問題が出て来ます。相手が満足するまで話は続くと言う事です。

「人は話すとスッキリする」と思い込むのは危険です。これは覚えていて欲しいのですが、「人は自分の言葉で自己暗示にかかってしまう事もある」ということです。俗に言う『自己暗示』というものです。

楽しい話をしている時は、話をしながら楽しい気分になって来ます。一方ネガティヴな話をしていると、話をしながらリアルタイムでネガティヴになって来たりもします。一歩間違えると、愚痴が負の強化になり、余計に惨めになって来る事もあります。そうなるとスッキリするまでの道のりは意に反して遠のいてしまうのです。そうすると愚痴が長くなってしまう可能性もあります。

相手にもよりますが、話が長い相手だと気づいた段階で対策が必要です。何時間も愚痴られたら自分の生活に支障が出てしまいます。お互いの関係を壊さないためにもメリハリが必要です。
「今日は1時間くらいなら時間取れるよ」という具合に最初から時間を提示しておくと良いかもしれません。人はメリハリをつけた方が時間内に出来る事を出来るだけやっておこうと思うものです。

話を終えて席を立とうとしたら「え? もう帰っちゃうの? なんで?」と言って来るような相手であれば、少なくともその人は自分本位な人です。もはやフェアな関係とは言えません。明らかにパワーバランスが崩れています。相手の立場や都合を一切無視して自分のペースに持ち込もうとするような人とは今後関わらない方が良いです。

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解決策を提示できない!

話を聴いているだけではどうやら解決し無さそうな場合はどうでしょうか。悩みや問題に対して解決の糸口が心の問題ではない場合は具体性を求められます。

内容や性格にもよりますが、悩みや問題を他人に話すということは少なくとも自分で考えても答えが出なかったという場合が多いです。

たとえばイジメにあっている人がいるとします。心のケアはものすごく大事です。しかし、同時進行で大切な事があります。それは今すぐにイジメを止めさせる事です。自分自身ではどうにもならないから悩んでいるのです。

たとえば怪我をして身動き取れずに悩んでいる人がいるとします。意識レベルや何が起きたのかを知る事は大事ですが悠長に傾聴している場合ではありません。

話を聴く、助言をする。これだけではどうにもならない時もあるのです。悩んでいる人、問題を抱えている人を目の前にしたら、何とか自分がスッキリさせてあげたいと思うのはわかるのですが、自分と言う人間は決して万能ではないと言う事を忘れないでください。関わったからには自分自身が何とかしてあげなければならないという思い込みに支配されないようにくれぐれも気をつけて下さい。自分自身を追い詰めてしまっては本末転倒なのです。

イジメに遭っている人を助けたいなら、イジメを解決するためのキーパーソンを探す事が大事です。家族かもしれませんし友達かもしれません。学校の先生かもしれませんし警察かもしれません。一人ではどうにもならないから悩んでいるわけですから、そう言う時は一緒にキーパーソンを探してあげるといった選択肢も必要になって来ます。

怪我をして身動きが取れない人がいたら、迷う事はありません。救急車を呼んであげた方が良いです。何を考え、何を決断し行動するかは、倒れている相手ではなくあなたです。

ここまで極端な話では無くても、自分の手には負えないレベルの内容だったり複雑な問題だったりする場合も実際には少なくありません。
そのような場合は「私が話を聴くと言ったからには最後まで聴いてあげなきゃ……。なんとかしてあげなきゃ……」と抱え込まない事です。
もちろん、その気持ちはとても大切です。しかし「私が解決策を出してあげなくちゃいけないんだ!」というわけでは決してありません。

感情が常に乱れていて一向に落ち着かない相手だったら、カウンセラーを紹介してあげるのも良いと思います。
ファッションについて悩んでいる人がいたら、オシャレな知り合いを紹介してあげるのも良いと思います。
勉強いついて悩んでいるのなら、良い先生を紹介してあげるのも良いと思います。
自分の専門分野の相談なら力になってあげられても、専門外の事は専門家に相談した方が良いです。
それは手に負えないから匙を投げたという事ではありません。問題に対し適切なアプローチが出来る人に導いてあげられたらそれで十分です。

人は善意と善意が触れ合って保たれているのです。だから、悩んでいる人があれば、スッキリさせてあげたい。助けてあげたい。できることなら解決してあげたい。そう思う事はとても重要です。
しかし、同時に自分自身が問題を抱え込んで自滅になってしまわないようにする事も大事です。お互いが無事に、そして元気に良好な関係を保つためにはどうしたら良いか。どうしたら『Win-Win』そして『Happy-Happy』になれるか。意識はそこにフォーカスさせてみて下さい。

 

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