ココロセラピストが語る!『就労意欲を奪う人たち』とは?

ハローワークより先に、心身のケアの専門家の門を叩くように促して下さい。そして決して、見下さず、応援してあげて下さい。

●「いくつ面接受けた?」

このセリフは、下手な鉄砲も数撃てば何処かしらに当たるであろうと言う意味合いの助言なのかもしれません。
しかし言われた相手は「何社と答えれば許して貰えるのだろう?」「どっちみち、結果を出さなければ何かしら文句を言って来るに違いない……」という警戒心が出て来ます。あるいは「やる気が無いと言いたいのかな?」と思って凹んでしまいます。

●「ええっ!? せっかく大学行かせてあげたのに、そんな悪条件で働くつもりなの?」

我が子に少しでも良い会社(そもそも良い会社ってどんな会社なのかという問題もありますが)に入って貰いたい。親とはそういうものかもしれません。
しかし言われた相手は、「仕事が見つからなければ文句言うくせに、必死で考えてでこれにしようと決めたら文句を言う…一体なんなんだ!」と思ってしまうかもしれません。人は矛盾したことを同時に言われると混乱してしまいます。やりすぎると、心の病気になってしまう危険性もあります。

●「仕事選び過ぎなんじゃない?」

このセリフは選択肢の幅を広げれば仕事が見つかるかもしれないと言う前向きな思いで出た言葉かもしれません。
しかし言われた相手は「私には職業選択の自由さえ認められないって言うの?」と思ってしまうかもしれません。

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『やれば天職理論』は本当か?

職探しで重要な問題の1つが希望職種です。でも半分くらいの人は「どんな仕事もやれば、慣れて来るし、磨かれていくし、成長して行くし、最後には天職になるよ」と思っているようです。

もし、それが本当なら失業率は限りなくゼロに近づくハズです。業界によっては離職率が高く、万年人材不足で困っています。「もう、誰でも良いから応募してくれないかな……」というのが本音の会社も多いと思います。

『やれば天職理論』から言えば、何処かしらに雇用されれば『勝ち組』と言う事になります。そして希望職種ではなくても、どちらかといえば望んでいない職種や会社であっても、気合いと根性で残っていれば天職になるハズです。

ならば何故離職率が高くて、業界全体が下向きに傾いてしまって人材不足になってしまったりするのでしょうか。去って行った人たちは根性無しなのでしょうか。そんな失礼な話はありません。『ゆとり世代』だから直ぐに辞めてしまうわけでもなんでもありません。理由があって去って行くのです。少なくとも、彼らにとっては『天職』になったわけではなく『転職』するハメになってしまったのです。

 

辞書に『不可能』という言葉が書いてあるのはちゃんと意味がある!

僕は決して、すべてが思い通りになる仕事や会社を探しなさいと言っているわけではありません。時には辛い事も悲しい事もあると思います。理不尽な事も多いと思います。気合いや忍耐が必要な時もあれば妥協しなければならない時もあると思います。そんな中で、人は成長して行くものだとさえ思います。しかし『やれば天職理論』は少々危険過ぎやしないだろうかと思うのです。
人には向き不向きもあります。不向きで、なおかつ不本意な事を強要され続けたら、どんな人でもきっと参ってしまいます。心身が病んでしまったら、そもそも働く意味がありません。
仕事は選んだ方が良いのです。

「私の辞書に不可能は無い」というナポレオンの有名な言葉があります。しかし、これは必ずしも「すべてが確実に思い通りになる」というのとは意味合いが違うと思うのです。
もし、ナポレオンに「あなたは奴隷として一生を過ごす事は可能ですか?」と質問したら、きっとこう答えるでしょう。「それは不可能だ。なぜなら私は皇帝を目指しているからだ!」と。
「難しくても、自分が望んでいる以上やってやる!」つまり、そう言う事だと思うのです。

だから全員とは言いませんが、ミュージシャンや役者、漫画家や芸術家(全般)は、誰に雇われなかったとしても、どんなに辛くてもナポレオンのように誇り高く生きているのだと思います。自分の望んだ道だから。自分が覚悟した道だから。自分が決断した道だから。

それはそれとして。仕事が見つかっていない人たちを応援したいと思う人たちには気をつけて欲しい事があります。それは追い詰め過ぎないで欲しいと言う事です。人格否定を連想する言葉や表現は使わないで欲しいのです。心配な気持ちは、ものすごくわかります。相手を思うからこそ、ついつい余計な言葉が口から出てしまいそうになるのもわかります。だからこそ、良い結果につなげるためにも、仕事が見つかっていない人の気持ちを受け止めてあげて下さい。

もし、仕事が見つからない原因に、過去のトラウマや、消化しきれていない感情、今現在の悩み、身体の不調が影響しているのであれば、そちらを優先的に改善するお手伝いをしてあげて下さい。ハローワークより先に、心身のケアの専門家の門を叩くように促して下さい。そして決して、見下さず、応援してあげて下さい。

 

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