インクレディブル・ハルク
アメコミに『ハルク』というヒーローがいます。普段は知的な博士が主人公なのですが、怒りの感情が爆発すると緑の超人(ハルク)に変身して大暴れしてしまいます。もちろん本人は「怒っているんだから暴れるのは当然の事だ!」なんて思っていません。本当は怒りの感情に支配されて暴れたくなどないのです。ちなみに日本ではあまり有名ではありませんが、アメリカでは大人気のキャラクターです。
セカセカ星人もハルクと共通点があります。それは勝手にスイッチが入ってしまうと変身してしまうという点です。望まないキャラクターに変身してしまう不本意な気持ち、とてもよくわかります。
ちなみにハルクは何度か映画化されていますが、暴れてスッキリという物語ではありません。もちろん敵も登場しますが、どちらかといえば自分との戦いがテーマなのです。彼はハルクという存在は否定せず、自分の感情をコントロールする事にフォーカスします。これは非常に大切な事です。
ハルクに限らず、セカセカ星人にも同じ事が言えます。自分がセカセカ星人である事を否定して「私はセカセカ星人だから物事がうまくいかないんだ!」「私はセカセカ星人だから人に嫌われるんだ!」というマイナスの自己暗示を繰り返していると、潜在意識は「私=ダメ子」と思い込んでしまい、自己実現してしまいます。というか、自己実現してしまっているから生きづらさを感じているのかもしれません。そもそもセカセカしている人は理由もなしにセカセカしているわけではありません。何らかの不安や恐怖が一気に押し寄せて来るから焦ってしまって混乱してしまうのです。
セカセカ星人向け対処法は?
セカセカ星人は不安や恐怖が押し寄せて来ます。だから、セカセカ星人の自覚がある人は、それをしっかりと認識した方が良いです。認識することで、そちらに意識が向かいます。
そうすると、セカセカ星人は不安や恐怖を意識するあまり、余計にセカセカしてしまうのではないかという疑問も浮かんで来ると思います。そこで、その瞬間にある儀式を間髪いれずに行うのです。
セカセカすると興奮状態になるので呼吸が荒くなります。呼吸が荒くなると苦しくなるので、余計に混乱してしまいます。そうなる前に、ある儀式をするのです。それは、深呼吸です。
たとえば掃除をしようとしてセカセカしてしまう人は、掃除に対してセカセカしてしまう事をなんとなくわかっていると思います。なので、掃除をしようと思ったら、最初に深呼吸をします。呼吸を自分の意思で穏やかにします。深呼吸すると心身がリラックスして来ます。リラックスすれば冷静な判断が出来るようになります。すると、何処から何処までをいつまでに掃除すれば良いのかがわかってきます。不可能を可能にしなければならないとか、そういう問題ではありませんので、どうしても無理そうな個所は後回しにしようとか、別の日にしようとかアイディアが浮かんで来ます。
「深呼吸したって部屋はキレイにならないよ!」と興奮してきたら、それはまだリラックスできていない状態なのでしばらく深呼吸を続けて下さい。時間がかかっても、さすがに1時間以上深呼吸に意識を奪われて結果的に掃除は出来なかった……ということは無いと思います。(それができる人は、瞑想の先生になった方が良いです)
次に、これを理解して下さい。何もしないことと、小さな事でも何かすることは意味がまったく違うという事です。千里の道も一歩から。最初の一歩無くしてゴール達成はありえません。
いつもセカセカして結局イライラ、メソメソして終わるだけの人が、少しでも部屋を掃除出来たら素晴らしいと思いませんか。子供に限らず大人も同様です。
次はアクションです。行動あるのみです。人は動き始めると、案外集中できるものです。もちろん途中休憩を挟むのも良いでしょう。その際、注意する事は「なんだ。結局これしかはかどってないじゃないか。意味ないじゃん……」と卑屈にならないことです。出来なかった事に意識を向けるのではなくて出来た事に意識を向けましょう。
そして、極めつけは自分を褒める。これに限ります。褒めてくれる人がいれば他人に褒めて貰っても良いです。ダメだし専門のお友達にはくれぐれも、関わらない方が良いです。最初からすべてが順調にいく人は少ないです。ダメだししようと思えば、人なんて大抵の場合ダメだし出来ます。しかし、そちらに目を向けても意味が無いのです。それよりも少しずつ慣れて行くことで自分の視野も広がって来るかもしれません。その方が結果的に効率は良いです。
セカセカ星人は、空回りばかりする割に、他人には厳しかったりします。焦っているので、相手が少しでもモタモタしていると、なんとも言えない気分になってきます。
でも、思いだして下さい。セカセカ星人はセカセカしているだけで結果を出さないという事を。繰り返しますが、ダメだししても無駄なのです。どうしても相手をコントロールしたければ、相手が不安や焦りを持たず、重要性をきちんと理解し、気分良く作業に移れるように気を使ってあげることです。相手を不快にしたら最後。人は動かなくなります。または敵になります。
「そんな自分だけど、自分なりに頑張ってるよ」と自分を褒めるように、相手の事も責めるのではなく、広い心で見守ってあげて下さい。
※緊急事態の時はセカセカしていてもモタモタしていても許されないので場合によっては別の対処が必要な事もあります。その時は独りで抱え込まず信頼できる方に相談して下さい。
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