蜂が持つ毒を使ってガンすら治す? 蜂針療法

研究で使われた蜂は「ブラジルに生息するアシナガバチ」なのですが、この蜂が持つ毒は「健康な細胞とガン細胞を見分けて、的確に攻撃することが可能」ということがわかりました。

【蜂の毒針に秘められた力】

「蜂」というと、「ハチミツを集めてくれるミツバチ」や、テレビなどで「駆除作業が報道されることもあるスズメバチ」などが有名です。

一般的に蜂のイメージといえば「刺す」というものがあるのではないでしょうか? ミツバチは毒針で刺すと、針と共に自らの内臓まで引き出されるために死んでしまいますが、スズメバチを初めとしたいくつかの蜂は、「何度刺しても自らに害が及ぶようなことはありません」。

同じ蜂でも、毒針を攻撃ではなく産卵管としてだけ使う種族もいますが、今回注目したいのは、この「毒針」。

あんなに小さい蜂に刺されたにもかかわらず、ものすごい痛みが発生するのは、蜂の毒に「アミン類」と呼ばれる成分が含まれているためです。この成分があることで、「微量の毒にもかかわらず強い痛みをもたらす」わけです。

種類によっては神経毒を持っている蜂もいますし、赤血球を破壊したり、アレルギー症状を産み出すような成分も「兼ね備えている」のが蜂毒なのです。蜂の毒は微量であり、一匹に刺されたからといって死を招くことはまずありえませんが、多くの蜂に刺された場合、また、アレルギー症状によって「アナフィラキシーショック」が起きた場合は、生命の危機にもなりえます。

 

【古代エジプトから存在していた蜂針療法】

小さいながらも決して侮ることの出来ない蜂の毒ですが、それを「健康のために利用する手法」が存在しています。「蜂針療法」と呼ばれるこの手法は、「古代エジプト」の時代から存在していたというほど歴史のあるものです。

紀元前の医学者であり、近代医療の始祖ともいえる「ヒポクラテス」も、蜂毒の効用について文献に記していますので、少なくとも「2000年以上の歴史がある」ことは間違いありません。

前述したように蜂の毒には、様々な成分が含まれていますが、基本的には微量なものです。それを適切に体内に取り入れることで、「血流の流れを活性化させたり、免疫力を高めたりすることができる」と考えられてきました。

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【現代日本でも行われている蜂針療法】

日本にも「大正時代」に蜂針療法が伝来し、現在でもこの療法を行っている場所があります。「アピセラピー」「Bee Venom Therapy」などと呼ばれるこの療法は、日本だけでなく、世界各地で行われており、代替療法に理解が深い「ドイツではかなり一般的」なものだと言われています。

蜂毒の成分を科学的に検証することでも、上記のような効能があることがわかりますが、実は最も重視されているのは蜂毒が持つ「殺菌能力」だといわれています。

この菌を殺す力は、「各種ウィルス性の病気に特に効果的」なのだそうです。

 

【死者をも蘇らせる蜂毒】

実は、日本に古来から伝わる伝承にも、こうした蜂毒の効果を示唆したようなものが存在しています。それは「十種神宝(とくさのかんだから)」と呼ばれるもの。

今から「1300年ほど前」に書かれたとされる『先代旧事本紀』という書物に登場します。それによると、この神宝を使うことで、「死者すら蘇ることが出来る」とされているのです。

名前通り、十種類の神宝があるのですが、その中に「蛇比礼(へびのひれ)」「蜂比礼(はちのひれ)」という神宝があります。この「ひれ」に関しては、様々な人が研究しており、どんなものなのかはっきりとした結論は出ていないのですが、両方とも毒を持つ存在であること、さらに死者を蘇らせるという十種神宝の性質から、「毒を用いた療法を示唆しているのではないか」という説があるのです。

2000年以上前から蜂針療法が存在していたことを考えると、この説は充分にありえると思いませんか?

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【ガン細胞すら破壊する蜂毒】

元々、蜂針療法は「ガンに効果的」といわれてきましたが、近年になって、科学的な面からも蜂の毒が「ガン細胞を効率的に破壊する」ことがわかってきています。
研究で使われた蜂は「ブラジルに生息するアシナガバチ」なのですが、この蜂が持つ毒は「健康な細胞とガン細胞を見分けて、的確に攻撃することが可能」ということがわかりました。

これから、さらに実験を重ねて、本当に健康な細胞に影響がないのかなどを調べた上で、蜂毒を分析し、同じ効能を持った薬を開発するということです。

そもそも、ドイツで行われた研究では「ミツバチの養蜂家がガンになる確率が極めて低い」という結果がでているとも言われています。ミツバチに刺される機会が多い養蜂家の体内には、常に微量の蜂毒があるために、ガン細胞が成長しにくいためではないかと考えられているのです。
このような研究が進んでいることを考えると、医学が進んだ現代において「死因のNo1となっているガンを克服する日も近づいてきている」といえるでしょう。

もし、蜂の毒がその重要な役割を果たすとしたら、まさに十種神宝の死んだ人をも蘇らせるという癒しの力が、蜂毒には秘められているということになります。古来からの智慧と現代の医学がどのように融合してくのか、楽しみに見守りたいものです。

Healing power poison with the bees.
Bee venom that the key to overcome the cancer.

 

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