KUSAKA SAVIOUR 新訳~日本神話~ PART 3太陽少年 後編

みなさんこんにちわ! ともくんです! ついに先日から始まりました! トリニティ連載の新しいシリーズ 古事記や日本書紀などの日本神話のさまざまな謎や真相多くの知識を得てゆけるフィクション小説 「KUSAKA SAVIOUR 新訳 ~日本神話~」第3話をお送りしたいと思います。さまざまな古代の神話の物語が現代によみがえる…… (注※物語はフィクションです。登場する人物 場所は一部の場所を除き実在のそれとは一切関係ございません。 物語としてデフォルメし対応させてわかりやすく描いてあるので続きを期待していてね♪)

いろいろなことがあったが、彼女たちの言葉は、とても重たく僕の胸にのしかかり生ける指標になった。
それがあたらしい僕の福音だったのかもしれない。
それから、生きる希望が一つだけできた。
それが信仰だった。
この世の中で、僕のもがいているすべてを見ていてくれている人が一人いる
それが正しいこの宇宙を動かす力なんだ! それがもし”神”というのならば……。
ぼくは、神というのを信じよう!
いまどき誰にも理解されない道であっても、それがこのさき僕を地獄に導く険しい道であっても……。
この何物も正解を教えてくれない、正しい正義の存在しない。
愛も本当のことも誰も偉い人も教えてくれない、救いようもない完全無欠の闇の世界で
法で裁けない悪人たちばかりが跋扈する、信じられないこの世界で、この地獄の世の中で
もし正義があるならば、僕は変人奇人だって言われてもいい「神様」がその正義なんだと思うよ。
だって…………テルヒコは思い出した。自分が籠ノ鳩という実家に生まれ落ちた日
「不思議な龍の背中にのって実家に来た夢を見たことを」
「大神様、あそこが僕のおうち?」と僕は 呼んでいた。
大神のことを6歳の僕は狼(おおかみ)と誤解して覚えていた。同じ言葉でも意味は違う。
すべてのものをすべて捨てても、それでも僕は神を信じなければ、これから先の未来はない。
そうおもったやさき、人ごみの中に角の生えた少女が見つめている姿を見つけた
「人界での修業はどうじゃ? いろんなものがおって、おもしろいじゃろ?」
「はっ⁉︎」
少女の姿はすでになく、そのあとで僕の心にこう響いた。
「契約は完了したな? お前は私のものじゃよ。テルヒコや。おまえのからだはもうおまえのものではない」
たしかにそのとき、そう聞こえていたんだ……。
そうやってがむしゃらにすべてのことにぶつかっていったころには
体の震えは消えていき
きがついたら、家に帰宅すると変な男の子が見える
「あれ? 君、ここはおうちじゃないぞ?」
というと、男の子がすっと消えた。
……見えだしている⁉︎

 

神隠し。

そう、この日から僕はなんだか、見えぬ世界の者たちが、リアルに大勢見えるようになっていった。
先の霊能者の人々は、僕の恩人であり、その時期においての心の師匠となったのだなと思う。
少しの時間彼らと連絡を取り合いながら、様々な基礎を学んでいくように教えられた。
体質を変えてゆくため、瀧行にいけ そういわれ毎日瀧をあびたり 瞑想したり
毎日修行を続けた。すると確かに霊能者らが言うようになって、
ほんとうに僕の肉体が日に日に変貌していくのがわかった。
そのままにしているだけで、木の精霊水の精霊 多くの人々の思念や未来に起こることのすべてが見えるようになった。
あまりの変化に体を副作用が襲い、人込みでは多くのイメージが見えすぎてあまり自然以外の場所に引けなくなった。
最初は自分は大丈夫か? と疑ったが。
だが、予知夢を見て、そこで指示されたところに行くと本当にそれがあったりする。
いちばんはやいもので3日~1週間前後の予知、ながいもので数年後の予知
予知だけでなく 神と呼ばれる存在のよく漫画であるような
天の声だけはっきりと夢の中で話しかけてくるようになる。
そういうことを他人に話していけるものではなかったし、絶対に異常だと思われるのがおちであるので
誰にも秘密にすることにした。だけれど、その教えられる情報の正確さといったら、ネットと比較してみても、それ以上であった。
これは疑うことができなくなるか? というほど。毎日当たるようになる。
それが続くようになると、だんだん信じられるようになるのだ。
いちばん安心したのは、その能力が僕だけではなく僕のいとこである姉ちゃん
ユキ姉ちゃんも同じように霊能を持っていることだった。力は遺伝するのかしらね、と姉は言う。
姉は歌手をしていて、イチキシマサユリという芸名で歌を歌っていた。
先祖が海賊だったころの夢をフラッシュバックしてみていて
東京に住んでいるから、住宅街で起こる事件の予知夢とかを連日見て怖い、と僕にメールしてきたりして
互いに励ましあっていたのである。こういう能力は、ある者同士でないと分かり合えないから。
姉が言うには、僕らの先祖は海に生きる人々だったそうで、この力もその影響があるらしいということ。
ユタ……といわれる人々か? よくはわからなかったが。そういうものかと直感した。
僕の個展にたくさん来てくれていた女の子と仲良くなってきてから、ある日夢に
蒼い蛇が現れた。「あの女はお前に害をなす。その虫 けらとはようわかれぬか。おまえには、似合わんん!」
といきなりその蛇がいきりたちぼくと女の子のかかわりを割いて、家から追い出した。
翌日、その女の子から手紙が届き、友人が自殺をしたと書いてあった。
もう今後幸せになるつもりはないから、テルヒコくん、私は頑張って何とか生きていくわ、さようなら……という文章だった。これは別れの手紙か? と思うと同時に、蛇のことを思い出して玄関を出ると夢と同じように家から蛇がさーっと音を立てて逃げ出した。
「ぼくは……」 彼女は単に今苦しんでいるだけなのだろうが、それを神が教えてきたのか?
それらが続いたころ、天の声はもう一つの啓示を僕に与えた。
「お前の姉とお前さんは、私の意思で出会わされている。お姉さんを大事にしろよ。私が合わせたのだから」
姉は、神という存在の導きで僕の所へ来たというのか?
そうしていると、ある夜夢を見た。自分を見つめながら、涙を流す黒い髪の女が
「よく生きていてくれた……あともう少しであんたに手が届くんだ……」といってくる。
その女が朝起きたら僕の家の前、玄関にいた。
その姿は青い龍蛇となって「元気にしていたか少年。お前を育てて守ってきたのは、儂だったんじゃよ」
といって「わたしのうしろについてこい!」と僕をいざなった。
不信感に見舞われながらついていくと、水沼神社という神社にたどり着く。
そこへ実際に行くと大きな石碑を見つける。「水波女神」というものであった。
「ここでかつて少女が龍蛇となった言い伝えがある」
後ろを振り向くと、ハットをかぶった老人がお茶を飲んでいた。
「坊主、最近おかしな夢を見なかったか? もてる男はつらいねえ」
いきなり老人はつぶやいた。
「竜宮城で待つ、ということだ。わしのすることは姫様の言葉を伝えること。もうそろそろ時は来ているようだ」
そうおじいさんはいって、きえてった。
「スカウト、そういうことだ」
そして18歳のある日、(テルヒコよ天はお前を使う お前はもう元の世界には戻ってこれない。これから我々とともに新たなゲームを始めてゆく)
といわれた。そう、新たなゲーム。そのゲームを始める時が来たのだという声がした
僕はこの世から一瞬にして消えたのだった。
だが同時に、僕の記憶もそれまでのものが一切消えてしまうこととなる。
実に都合のよくUSBメモリーに保存できるものなら保存してしまいたいほどである、だが現実は時として唐突にすべてを奪い去るのだ。
まるでそれは神隠しのように。

 

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