神仏へと想いを届けるポスト~大師さまへの手紙~

弘法大師にすべてを告白してしまうというのは、ちょっと形の変わっているものの、キリスト教でいうところの「懺悔」のようでもあり、今後、このプロジェクトにどれぐらい人気がでるか興味深いところです。

手紙が電子メールへと移り変わっても、まだまだ街中で郵便ポストは現役です。
平成20年を頂点に減少傾向にあるとはいえ、一昨年の時点でも、全国に「185409本」も存在しているのです。

日本ではじめて郵便制度が始まったのが、今から140年ほど前の「1871年」
当時は全国で62本しか無かったポストが、3000倍以上の本数になったわけですから、いかに全国各地にあるかがわかります。

それだけ生活に密着しているポストですが、実は仏様や神様にも手紙を届けられるというのをご存じでしょうか?
サンタクロースへの手紙というのは有名ですが、「神仏への手紙」というのは、なかなか知られていないものです。

その一例として、「6月1日」から、真言宗の総本山である高野山は「金剛峯寺」で、「大師さまへの手紙」というプロジェクトがはじまりました。

これは、真言宗の開祖である「弘法大師空海」へ手紙を送ることができるというもの。
届いた手紙は、しっかり法要を営んだあとで開封され、空海が今でも修行を続けているという奥の院の側に設置された「ポストに1年間保管」されるのだそうです。

このプロジェクトの目的は、悩みや苦しみを抱えてしまって、誰にも打ち明けられずに苦しんでいる人たちの力になろうというものであり、手紙の内容はどんなものでもかまわず、「匿名もOK」、もちろん「秘密は厳守」ということです。

弘法大師にすべてを告白してしまうというのは、ちょっと形の変わっているものの、キリスト教でいうところの「懺悔」のようでもあり、今後、このプロジェクトにどれぐらい人気がでるか興味深いところです。

ちなみに、宛先は下記の通りとなっていますので、興味がある方は手紙をだしてみるのはいかがでしょう?

〒648-0021 高野山奥の院 お大師様

手紙を受け取ってくれるという神様も存在しています。
兵庫県神戸市にある「氷室神社」には、「恋愛ポスト」というものが設置されているのですが、こちらは、前述のプロジェクトとは違って、神社内にポストが設置されており、200円払って投函することで神様に願いが届くというシステムになっていますです。

なんだか、ちょっと冗談のように思えるかもしれませんが、もともと「恋愛成就の神様」を祀っている神社ということもあり、その御利益は確かであり、多くの人が手紙を出しに来ているとのことです。

ただ、こちらのご祭神は弁天様ということもあり、本気の願いならば叶えてくれるけれども、遊びだったり、冷やかしだったりすると、「思わぬしっぺ返しをくらう」という説もありますので、手紙を出してみようと思う方は、そのあたりを覚悟した上で足を運ぶことをオススメします。

インターネットの発達により、その居場所を失いつつあるポストですが、アナログな手段だけに、神仏へと想いを込めて願いを届けるためのツールとしては、まだまだ活用されていくのかもしれません。

【紹介したスポット一覧】
高野山真言宗 総本山金剛峯寺
和歌山県伊都郡高野町高野山132

氷室神社
兵庫県神戸市兵庫区氷室町2-15-1