ミディアムシップー今この混沌の世界で自分を守るための力~前篇~

目まぐるしく上書きされていく情報洪水の中、今なぜミディアムシップなのか? 日本のテレビでも未知のことをドラマに普通に取り入れる昨今事情から、フォックス家の話まで。

最近はTVドラマの中にも刑事なのに死者の霊と話せる設定や、日曜ゴールデンタイムドラマにも人気俳優演じる主人公のサラリーマンが、自分の人生や拗れた親子の確執を生と死の間をもう死んでいる人達と一緒に旅をしながら見詰め直すドラマが登場する等、時代は確実に変わってます。誰もがそういう世界との接触が起こる可能性を感じているのかもしれません。

少し前はそういう霊的世界に対する視線はどこか「」な扱いでした。でもどんどんIT技術が生活を合理化する一方で、目まぐるしく上書きされていく情報の洪水の中、自分で選択していかなければますます不安になり、急激に進む格差社会の中で1年後も自分が同じランクでいられるのか、今まで「皆と同じものを手に入れていたら幸せ」だった価値観にマークが浮かんできて、超高齢化社会が見えている今、フツーの人達が真剣な自分探しに入り霊的世界と日常現実が実際にクロスオーバーして隣にあるというのを、まだ確信してはないけど否定できないと初めて感じ始めて来たような気がします

スピリチュアリズムが大きな社会現象になったのは、1848年にアメリカのハイズビューという村の一軒に住むフォックス家の幼い姉妹が、ラップ音をたてる霊と交信し、やがて複雑な内容までアルファベットで答えてもらうことに成功、その結果その存在は、その昔に家の住人に殺害され地下に埋められた行商人の霊だと語り、後にその真偽の調査が科学者達によって行われ情報が正しかったことが証明され全てがはじまりました。」

当時科学先進大国だったイギリスからその調査隊は派遣されてきました。

その時代、19世紀半ばは科学万能機械化が怒涛のように押し寄せる20世紀に入る前で、今と同じように大きな意識のシフトの波が来ていました。そして社会の階級差を問わず上は英国王室から下は庶民まで皆これをきっかけにムコウノ世界に興味を持ったのです。

それからいろんな降霊会が行われ数多くミディアム(ミディアムシップ)が登場しました。つまり霊界とこの世を繫ぐ媒介役ができる人達です。そして当時ケンブリッジ大の研究室等を中心に数々の科学的調査が行われ、その中でもエクトプラズムという煙のように見える物質を放出し霊界に移行した人物の姿を実体化させるというのが話題になりました。そんな中でSAGB(英国スピリチュアリスト協会)も誕生し現在に至るまで続いており、同じ流れの中で沢山のスピリチュアリズムの教会や学校、スピリチュアルヒーリングも広がり、現在英国に1万人以上のヒーラーが活躍していると言われます。

日本にも昔から日々身近に見えないけど存在するものを意識する生活感があり、神道や仏教や陰陽道や民間呪術と結びついたりしてきました。そして明治大正時代に海外の風潮に呼応するかのように数々のサイキック能力者が大手メディアに報道され学術的研究もおこなわれスピリチュアリズムが一大ムーブメントになった時期がありました。しかし個人の意識がまだ幼かった時代にあっては社会の安定を覆しかねないという当時の政府の指針により、苛烈な弾圧を受けたため日本ではほとんど姿を消し現在まで宗教的な形で続いている組織以外には英国のような社会的受け入れ基盤が形成されないまま第二次世界大戦後の物質的価値を追い求める社会風潮の中で何か胡散臭い物というイメージで扱われてきました。

続きは、今なぜミディアムシップに意味があるのか、混沌の世の中での自分の守り方を具体的に掘り下げていきます。

(後編へ続く……)

今回はSAGBで5年間講師を務めた実力も経験も申し分ないキース・ビーハン氏をご紹介します。
彼の飾り気がなく、「霊的な勉強を深めるには、自分自身の献身も大事。人格や霊格を高めて行くことが目標であって、サイキック能力ミディアムな力は人格や霊格の修行の結果、表れてきますから」