「神様には、合う合はないがあるのか？」サナトクマラVS丹生都姫

「奥の院に入るとね、お前立の像があるの。その像は、髪やひげが真っ白で、一見お爺さんみたいだけど、よく見ると、お顔は皴もなくて、まるで少年のような年齢不詳のお姿をされていたのよね。」と言っていたのです。

「髪が真っ白になった!!」確かに……魔王尊＝サナトクマラと同じ特徴です！
（驚）本当に、そのレイキで、サナトクマラ＝魔王尊が、降りてきたのでしょうか!?

「たいへんでしたね。結局、体調はもどったのですか？」

「徐々にもどったんだけど、余りにひどかったので精密検査をしたら、腎臓から水銀が検出されて、「あなた、水銀、飲んでいませんか？」って医者に言われて、飲むわけないじゃない!!」

水銀の神様といえば、西洋だとマーキュリー、ギリシア神話のヘルメスです。ユダヤ・イスラムでは、大天使アズラエル（そういえば、オーラソーマのボトル・大天使アズラエルは、水銀の色をしています）そして日本では、水銀の女神「丹生都姫（にうつひめ）」—高野山の護法神です。

丹とは、硫化水銀のことで、神社の鳥居の朱色といえばピンとくるかもしれません。水銀といえば、銀色を思い浮かべるかもしれませんが、空気に触れて酸化すると朱色になるので、自然の中ではこの色で見ることの方が多いかと思います。

「水銀って、丹生都姫みたいよね。ほら高野山の……」
「知ってるわよ。だってうちの実家、お寺なんですもの。高野山は総本山なので、昔よくいってたわ」

なるほど、この方には、守り神として丹生都姫がいたのです！

そこへ、新たなる侵入者サナトクマラが召喚され、侵入を阻もうとする丹生都姫と、彼女の中に入ろうとするサナトクマラの壮絶な戦いが繰り広げられ!!!　ゴジラ対キングギドラ、いや、白血球対バクテリアといったほうが的を得てるでしょう、その争いが、高熱となって現れたのです！

戦いの最中、サナトクマラ調伏に費やされた丹生都姫のエネルギーが物質化して、水銀としてあらわれたのでしょうか？

いやいや、そこの貴方、「何、ファンタジー語ってるんだ？」と思っていませんか？

霊体が入ってくるとき、それを阻止しようとして熱をだす方は、他のお客様にもちょくちょくあるので、（肉体の免疫システムと同じです）そこまでは経験的にわかるのですが、さすがに腎臓から水銀が検出されたのは、この方以外に聞いたことがなく、私にも「なんでそうなるのか？」は謎です……フーム。

私がこのお話を伺った時点で、すべては済んでしまった後だったので、「この方には、丹生都姫という守護神がいる」こと以外は、検証しようもありませんでした。

彼女には不動明王もいました。明王にとって、サナトクマラは調伏すべき存在として認識され、壮絶なバトルの結果、サナトクマラは追いやられたのです。丹生都姫も、明王に加勢したのでしょう。

元々、守護神のいる方が（往々にして本人は自覚していませんが）、他の神様と契約したところ、両者が戦い、結果体調を崩したり、長年守ってくれていた神様が去ってしまい、かえって運気が落ちてしまうのを、みかけることがあります。

もちろん、サナトクマラと不動明王や丹生都姫、どっちがいい悪いの問題ではなく、相反するエネルギー体をともに招き入れるのは危険だということですので誤解しないでくださいね。

神様にも相性があるので、大丈夫な場合もありますが、生身の体が耐えかねるような「壮絶なバトル」を繰り広げる場合もあり、安易にあちこちの神様に、見境なくお願いするのは慎むべきです。

興味深いことに、この方は、「昔、レイキが好きな友人と一緒に鞍馬山にいったところ、途中で気分が悪くなって帰ってきたの。鞍馬山は、私に合わないわ」ともいっていました。

まあ、そこまで言ってて、なんでサナトクマラ召喚のレイキ受けるのかって話ですけど……チコちゃんじゃないけど、「ボー」としていてはいけません。皆さんも、気を付けてくださいね。

とにかく、神様とは夢幻（ゆめうつつ）のファンタジーな話ではなく、40度の高熱を発したり、水銀による急性腎炎を発生するような（驚！）現実極まりない存在だということを、肝に銘じてくださいね。ここポイントです！

おっと、あまりに奇妙なお話なんで、まだ、「それって、妄想でない？」とか思っていませんか？　ふむふむ、……ところが数年後、この方の逆の経験をした方がこられたのです。なんと、その方は、鞍馬山ならぬ高野山に入れなかったのです……つづく

マユリ

「神様には、合う合はないがあるのか？」 サナトクマラVS丹生都姫