夏じゃなくても夏の風邪にかかる!?~『プール熱』に要注意!!~

インフルエンザだけが辛いと思わないで!

勝手に病名をつけないで!

寒くなってくるとインフルエンザが流行りだします。具合が悪い人を見かけると、間髪入れずに「インフルエンザが流行っていますが大丈夫ですか? ご自愛くださいね!」と言う人がいます。心配してくれているのだとは思いますが、問答無用でインフルエンザを疑います。しかし、自分でインフルエンザかもしれないと思って受診する分には良いですが、『インフルエンザ疑惑』をかけられるのはどうでしょうか。心配されているとはいえ、正直なところあまり良い気分にはなりません。相手を心配する時にも、相手に対しての気配りはとても重要です。善意があっても、かける言葉の中に変なキーワードを入れてしまうと相手にストレスを与えてしまう恐れがあるので気をつけたいものです。「大丈夫? 心配だから、病院で念のために検査して貰ってね」とか、余計なキーワードを挟まず、自分が心配している気持ちを素直に伝えるだけで気持ちは充分に伝わると思います。

インフルエンザだけが辛いと思わないで!

『インフルエンザ疑惑』をかけられると良い気分はしません。そればかりか、診察を受けてインフルエンザではなかったとして、その旨を伝えると「インフルエンザじゃなかったの? それは良かったですね!」と勝手に良かったと結論づけられてしまう事も少なくありません。インフルエンザに感染していない事のみに対して言えば、確かに嬉しいことです。しかし、インフルエンザかどうかだけで、良かったかどうかを簡単に決められるモノでは無いのです。具合が悪い人は、何らかの理由があって具合が悪いのです。インフルエンザが辛さの基準のように思いこまれているとしたら、それは大間違いです。

プールに縁が遠い季節でも『プール熱』という風邪になる!?

『プール熱』に感染したら、とんでもなく辛い目に遭います。インフルエンザは薬があるかもしれませんが、このプール熱は薬がありませんでも症状はかなりキツイです。『プール熱』という言葉を初めて聞いた方もいらっしゃると思いますので、簡単に説明します。別名、咽頭結膜熱と言います。こっちの言い方だと症状がわかりやすいと思います。喉や頭が痛くなって結膜炎も伴い、熱が出て苦しくなります

なぜ『プール熱』と呼ばれているかというと、夏などにプールで感染しやすいからです。子供が感染しやすいとされています。このプール熱に冒されると、4~7日は高熱にうなされます。人によってはもっと長引く場合もあります。喉も激痛なので、人によっては食欲が無くなったりする人もいるようです。その影響で脱水症状を引き起こす場合もあるので要注意です。ちなみに子供の間で流行る風邪とはいわれていますが、大人も感染します。しかも、プールにまったく縁がない人も感染します。プール熱の引き金となるアデノウィルスの潜伏期間は5~7日です。非常に強力なウィルスですので、プール熱の人の看病などをしている人も充分な注意が必要です。看病中に感染すると、寝込んでいる人が回復する前に介助者まで発症してしまい、とんでもない事態なってしまうという事もあります。

感染ルートは、飛沫感染(くしゃみ等)、糞口感染(排泄物等)、接触感染(さわる)と言われています。つまり、あらゆるルートで感染する可能性があるという事です。そのため、学校保健法では第二種伝染病に位置づけられており、主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止となっています。会社員等の場合は、稀に「解熱剤飲んで、さっさと来なさい!」と言うところもあるかもしれませんが、あまりそういう事を言うと自分自身が感染してしまう確率も高いのだという事を覚悟して欲しいところです。

『プール熱』という呼称から、子供の病気というイメージや、軽い風邪のようなイメージを持ってしまうかもしれませんが、とんでもありません!インフルエンザではなくても、安易に「安心」と思い込まない方が良いです。決して、ウィルスや風邪をを軽く見てはいけません。 プール熱に限った事ではありませんが、大事なのは普段から心身の健康を意識して、食事、睡眠、運動等のバランスをきちんと考える事が大切です。まだまだ寒い日が続きそうですが、お互いに元気に春を迎えましょう!