口は災いのもと!? 言葉のTPOに気をつけて!

言葉は人を傷つける事も幸せにする事もできます。あなたの言葉がどうか世界の幸せに繋がりますように。

 

ビジネスシーンとTPOの関係

大人になると、特に仕事場で言葉遣いについて気を遣うと思います。就職活動の際、オフィス敬語やら、謙譲語やら、色々と覚えたり、テストをしたりしたかもしれません。でも、仕事場での言葉遣いって、仕事によって求められるものが変わってきます。必ずしも必死に勉強した敬語を使うかというと、実際は必ずしもそうでもありません。

例えば、同じ接客業でも、様々だと思います。基本的には丁寧な言葉遣いで話すという点は同じですが、お店のコンセプトやお客さんとの距離感をどう保つかによって変わってきます。

高級なお店でしたら、尊敬語や謙譲語をふんだんに使って、お客さんを立てて、気持ちよく買い物して帰って頂けるように気を配っているかもしれません。そういうお店で店員さんが「てやんでぇ! オイラは江戸っ子でいっ!」といったようなノリで喋り出したら、ネタでなければ確実にTPOがわかっていない人と思われてしまいます。

お店のコンセプトが、フレンドリーな印象を与えたいというものだったら、尊敬語や謙譲語を使い過ぎたら、逆に気持ち悪いですし、親近感も沸きませんよね。例えば、ライブハウスの店員さんがホテルマンみたいな敬語で話しかけてきたらどうでしょうか。「あれ? 私、来る場所、間違えちゃった……!?」なんて思ってしまうかもしれませんね。

例え高級店であっても、せっかちなお客さんは「ウダウダ言ってないで、早くしてくれ!」とか、言ってしまいそうです。そのお客さんは接客よりもスピードを求めていたかもしれないのです。

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もちろん、お客さんに問題があります。どういう店かわかっていて利用しているにも関わらず、乱暴な態度を取ったら、それこそTPOがわかっていないという事になります。逆に店員さんは店員さんで、辛いところではありますが、瞬時に相手の潜在ニーズを読み取り、的確に言葉や行動を変えなければいけないという面もあります。つまり臨機応変さも必要という事です。

通販受付のコールセンターで、オペレーターさんがお客さんの注文した商品や注意事項、住所などを確認するために、いくら一生懸命に丁寧に話していても、お客さんが急いでいたり、オペレーターの意向を理解していなかったりしたら、その丁寧さは鬱陶しさに変わってしまうのです。

これも、普通に考えたらお客さんが悪いです。そういう対応がイヤなら最初からカタログショッピングをするとか、ネット通販で買うとか別の方法もあるのです。でも、電話注文しなければ買えない品物を望むなら、そのやりとりも覚悟すべきなのです。また、オペレーターがそのようなお客さんの事を愚痴ったりしたら、上司に怒られてしまうだけなので本当に気の毒です。

電話といえば、こんな話もあります。顔が見えないから態度が大きくなって、言葉使いが悪くなる人もいるそうです。それこそオペレーターに「○○じゃねーよ!」というような言葉使いをしてくるのだそうです。私の聞いた話では、個人事業主の方でさえTPOをわからず、そのような言葉を平気で使ってくるそうです。これでは残念ながら社長さん(立場的に偉い人)であろうとなんだろうと、情けない人になってしまいます。個人事業主であろうと大会社の社長であろうと、人の上に立って仕事をする人なら、誰に対しても礼節を重んじて接しなければ、信頼を失ってしまいます。結果、その会社の行く末も変わって来ると言う事に気づいて欲しいものです。

ちなみに、本筋からそれますが、コールセンターは会話を録音している会社も多いので、あまり酷い言葉使いをすると、『研修用資料』にされてしまう危険性もあるようなので、暴言を吐く際はくれぐれもその事をお忘れなく!?

ちなみに、デキるOL風の女性たちも、時々勘違いをしています。男性社会に溶け込もうと必死で努力をしているのはわかるのですが、体育会系の男性語(?)で部下に指示を出したりしている人もいるようです。しかし、あれはあれでイメージは悪いです。

元気でハキハキしているイメージに思われたいのかどうかわかりませんが、男性のマネをしているだけに映るか、性差を意識し過ぎたコンプレックスが強い人に映るか、どちらにしてもプラスの影響はあまりありません。または元気な人ではなく単なる恐い人と思われてしまうかもしれません。

無理に女性らしい言葉使いにしなさいと言っているわけではありません。わざわざ男性と同化する必要は無いと言いたいのです。

 

年齢層や出身地などにも注意!?

蛇足ですが、地方出身者の方やご高齢の方と話す時は特に注意が必要です。子供と接する時は敬語が通じないのはわかるので、無礼にならない程度に砕けた言葉を選んで使いますよね。
でも、地方出身者でご高齢の方の場合は、少し難しいです。何が難しいのかというと、時々、こう言う人がいるのです。

普通に敬語を使って、いつも通りの接客をしているのに「なに、難しい言葉を並べてんだよ!
さっぱり、わかんねーよ! バカにしてんのか! いい加減にしろよ、バカ野郎!」と本気モードで激怒する方も少なからずいらっしゃるそうです。

流石にこれは困りますよね。そもそも普通の日本語(標準語)が通じないとなると、どうにもなりません。だからと言って、雰囲気だけで「この人は敬語や外来語は通じ無さそうだから……」という接し方をしたら、それこそ侮辱されたと勘違いして怒りを買ってしまう危険性もあります。

しかし、そう言う方々を教養が無いという括りで括って良いわけがありません。言葉は時代や環境によって変化して行きます。言うなれば生き物のようなものです。だから狭い日本という国でさえ標準的な言葉が通用しない事もあるのです。

特に戦時中の軍人の間では、方言を使うと鼻で笑われたり、虐められたりした経験がある方も多いようで、それがトラウマになっている場合もあるそうです。

人間は何処に逆鱗(怒りのスイッチ)があるかわかりません。だからこそ、慣れしかありませんが、空気を読み、TPOに合った言葉選びができるセンスを身につける必要性があるのです。

言葉は人を傷つける事も幸せにする事もできます。あなたの言葉がどうか世界の幸せに繋がりますように。

 

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