古事記に伊邪奈美神は死後、出雲国(いずものくに)と伯伎国(ははきのくに)の境にある比婆山に埋葬されたと記載されています。
その御神陵と謂われる場所は各地にあり、いまだそれがどこなのかは謎ですが、その伝承地の一つ、安来市伯太町の比婆山久米神社下ノ宮へと参拝をして参りました。
鳥居をくぐると先程までの長閑な雰囲気とは変わり、神域に入ったと感じる清々しさがあります。穢れを力強くを排除する陽の清々しさではなく、そっと清水を手に取って母親が子供の身体の汚れを落とすように清めるといった感じなのです。
濃く満ちる伊邪奈美神の御神氣を感じる神社
こちらの神社は拝殿と本殿が繋がっておらず離れています。島根では珍しい同じ神明造りです。
拝殿で参拝を終えてから本殿へと向かうと、更に伊邪奈美神の御神氣が強くなってきます。
御神氣が強いのに畏怖の念よりもなぜか懐かしい気持ちが心の底から、いえ、魂の底から湧き上がるのです。それは多くの神々を産んだ伊邪奈美神への思慕が神様の分霊である私たち人間の根底にあるからなのでしょう。
本殿にて参拝をすると、胸いっぱいに愛が満ちてくる感じがあります。伊邪奈美神から慈しまれている、そう心から思えるのです。
数多くの伊邪奈美神を祀る神社が島根県にもありますが、その中でも最も強く伊邪奈美神の御神氣を感じられる神社の一つなのではないでしょうか。
下ノ宮でこれだけ強く感じられるのですから、それ以上に感じられる場所となるとそれは比婆山久米神社上ノ宮なのかもしれませんね。
元祖大和撫子☆伊邪奈美神
そんな伊邪奈美神を私の脳内変換妄想モードでイラストにするならこんな感じでしょうか。
日本初の国生みの母神は日本で一番強い姫神なのでしょう。
けれどその強さは男性的な陽の強さではなく、柔軟でしなやかな女性的な陰の強さ。大黒柱も支える大地があってこそ。大地が弱く揺らぐ様では立派な柱は立ちません。
女性の強さは強(したた)かさ、影の支配者はかかあ天下……などと書いてしまったら夫である伊邪那岐神が凹んでしまうかも!?
いいのです、いつだって最後は女性が主導権を握るのです。イイ女女を手に入れる為に男は頑張る、女が強く魅力的であればあるほどいい男が育つのです。
伊邪那岐神も伊邪奈美神あっての男神、「イイ男っていないかいても誰かのものよねぇ……」とぼやく前に、日本の男性をもっとイイ男に育てる為にも女性はは伊邪奈美神を見習わないと。
それでこそ世界に美し咲き誇る大和撫子の姿なのでしょう!