日本でも西洋でもお守りに関連する動物って?

「馬」の字を左右逆に書いたものであり、「幸せを招き、財運を高め、商売繁盛をもたらすシンボル」だといわれています。

【昔はとても身近で重要だった馬】

「縁起のいい動物」というと、あなたはなにを思い浮かべますか? 現代では身近な動物というと、「猫や犬、ハムスター、フェレット」などの小型動物が思い浮かぶと思いますが、かつては人間にとって非常に重要な役割を果たしていた大型動物がいました。それは「馬」。

現在では移動手段として馬を選択する人は少ないと思いますが、長い間、人間にとってもっとも早い移動手段は馬だったのです。また、荷物を運んだり、田畑を耕すのを手伝ったりと、様々な役割を持っていました。

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【かつて馬は神に捧げられていた】

移動手段であり、なおかつ労働力でもあった馬は、「重要な財産」だったわけですが、それだけに神様に願いを掛けるときには、「貴重な馬を捧げる」という風習が奈良時代頃から存在していました。大切な馬を奉納することで、神馬として神の乗り物となることを願い、その見返りとして願いを叶えて貰おうと考えたのです。しかしながら、馬は当然ながら高価だったために、一部のお金持ちや貴族しか奉納出来なかったこと、また、小さな神社の場合は奉納されても飼育する場所がないなどの理由から、徐々に馬の絵が描かれた木札に変わっていったのです。その札こそが、現代でも目にすることの出来る「絵馬」なのです。

 

【絵馬は元々生きている馬だった】

絵馬といえば、「神様に願いを伝えるための道具」として、多くの神社で授与されていますので知っている方も多いでしょう、または「実際に奉納したことがある」という方もいると思いますが、そんなスピリチュアルな絵馬という道具は、元々は生きている馬が由来だったわけであり、馬が縁起のいい動物とされていたことがわかると思います。

 

【馬の文字に秘められたものとは?】

他にも馬が由来のスピリチュアルなものというのはあります。それが「左馬(ひだりうま)」。こちらは、冒頭に掲載したように「馬」の字を左右逆に書いたものであり、「幸せを招き、財運を高め、商売繁盛をもたらすシンボル」だといわれています。

なぜ、単なる漢字が商売繁盛のシンボルになったのかというと、「うま」を左右逆に書くと「まう」になることから、「舞」に繋がり、さらに舞は縁起の良い席で行われることから、招福となり、左右反対に書いた馬という漢字は下の部分が巾着のように見え、その口の部分がしっかりとしまっていることから、「お金が出ていかない=財運」となったのです。

 

【海外でも馬に関連した道具は幸運を招く】

海外でもこのような幸福を招く道具があります。それは「蹄鉄」。馬の蹄を保護するための道具であり、今から「2000年以上前」から馬の足を守ってきたという歴史のあるものです。「U字型をした金属」というシンプルな構造だけあって、その形は古来からほとんど変わっていないのですが、足を守るだけでなく「魔を除け、幸運を呼び込み、金運をアップさせ、商売繁盛」という左馬とほぼ同じ力があると考えられています。

蹄鉄がこのような幸運をもたらす理由としては、昔は貴族などが乗る馬の蹄鉄には銀などの高価な素材が使われていたのですが、それが馬から外れた時には、道ばたでそれを拾った人の物になるとされていました。つまり、蹄鉄を拾うというのは、「物理的に金運をもたらしてくれた」わけです。一方、高価でない「鉄は妖精や悪魔が嫌う」という伝承があったために、これを扉につけておくと、そういったネガティブな存在が入ってこれないと考えられていました。

左馬のように形状がベースとなっている話もあります。この場合は蹄鉄の飾り方が重要となってきます。U字型、すなわち「上が開いている状態で飾る」ことで、そのくぼみの中に幸運が転がり込み、左右の棒がそれを逃がさないようにしてくれるということです。

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【動物の馬は意外と関係していない?】

ここまで読まれた方はすでにお気づきかも知れませんが、実は左馬も蹄鉄も馬との関連はありますが、「動物の馬とは基本的に関連がありません」。絵馬だけは、奉納される動物の身代わりということで、関わりがあるのですが、他の2種類は、シンボルや道具という点に意味があるとされています。単なる偶然といってしまいえば、それまでですが、違う国でこれだけ似たような考え方をされるということは、人間の潜在意識は馬というものになにか特別なものを感じているのかもしれません。

いかがだったでしょうか? 左馬も蹄鉄も現在ではほとんど見かけることはありませんが、どこかで見かけたならば、実際に手に取ってみることをオススメします。なにか、感じる物があるかもしれませんよ?

 

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