夏至~山羊座満月が後押しした激しい手放しと気づきの中で — 九紫火星7月は、破壊と対立の渦中で新たな希望を創ってゆく時
7月を迎えました。先月は後半に夏至と山羊座の満月が立て続けに起こり、心身が激しく疲弊する中で、大きな手放しを経験した方が多かったのではないでしょうか。これまで躊躇していた人、モノの断捨離を決断したり、現在の環境からの“卒業”を決めた方もいらっしゃるでしょう。この夏は、社会にとっても個人にとっても、“それ以前、それ以後”の境界線が引かれる時となるでしょう。
先月は、東京都知事選をめぐる掲示板での選挙ポスタートラブルや、富山や青森で相次いでクマによる人間への襲撃が報じられました。2000年代に入ってから、明らかに日本人の波動が落ちています。かつては性善説で動いていた社会が、法の抜け穴を利用する者によって歪められ、その度に信じられない規制をせざるを得ない状況に陥っています。自然への畏敬を忘れ、太陽光パネルで山々を丸裸にしたことも、現代人の傲慢を表す端的な事象と言えるでしょう。これからは、幸福を享ける人と、天罰を受くる者の“二極化”が進みます。円安、物価高と厳しい環境は続きますが、どうか真摯な生き方を心掛け、良い波動を保ちたいものです。
小暑を迎える7月6日、月運が一白水星から九紫火星に移ります。九紫には陽気さと共に、“物事をはっきりさせる”という意味があります。また“高貴さ”を表すので、気位が高くなり、他者への思いやりに欠けるという点もあります。象意としては“破壊、分裂、対立、戦争、解雇、憎悪、離婚”といった特徴があります。また“再会、二度目”といった、“復活”の面も強調されます。
“火”の星ですので、今月は小競り合い、口論からくる喧嘩、暴行や傷害などに要注意です。また“解雇”の象意があるように、今月は企業の倒産や事業の不振で雇い止めに遭ったり、職を失う方が増えるかもしれません。自然災害の面では、“火事”(火山の噴火)には特に警戒が必要と言えるでしょう。
7月の月運の干支は、“辛未(かのとひつじ)”。“辛”は金属や宝石、“未”は晩夏を迎えた焦土の意味です。今月は、これまで地味に取り組んできたことや、じっくりと蓄えていた実力や才能がキラリと光り、現実の世界で大きな注目を浴びたり、高い評価を受けそうです。また、“辛”には“枯れる”の意味もあります。古くなったモノがその役割を終える時なので、これまでの価値観が変わり、世間の主役が新旧交代する時となるでしょう。新たな希望をつくってゆく一ケ月となりそうです。他者からの注目を浴びやすい時期となるので、おしゃれに気を遣うと、素敵な人を引き寄せられそうです。
二十八宿は“女宿”。今月は、お稽古事や熱心に取り組んでいること、研鑽を重ねてきた成果が出る暗示です。それまで積み重ねてきた努力が実り、栄誉に与る機会があるかもしれません。ただ、自分にも他人にも厳しい一面が出てきやすい時でもあるので、言動や行動には注意しましょう。新しい友達や趣味に、ツキがありそうです。
重要な契約や勝負事に関しては、大安の11日、17日、23日、29日、一粒万倍日の4日、5日、8日、17日、20日、29日に設定すると良いでしょう。特に29日は天赦日、大安、一粒万倍日が重なる、百事妨なしの本年最強幸運デーです。デートや告白、プロポーズを考えている方も、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は南となります。28日からは再び天一天上ですので、月末は方位に障りはありません。
海王星逆行~蟹座新月~七夕~2度目の山羊座満月の激動 — この夏、人々は生きながらに臨終を迎え、生きながらに蘇る
西洋占星術の観点で言えば、5月の木星の双子座入りで “風の時代”の雰囲気が色濃くなり、この夏はSNSを通して知り合った遠方の人との交流が活発となり、過去生でも家族や恋人であった強いご縁の魂との邂逅、再会のチャンスに恵まれるフェーズに入っています。
2日には水星が獅子座入り(~7/26)。獅子座は個人の純粋な表現、恋愛、セックス、妊娠を表すので、この夏は楽しい雰囲気のなかでの告白からスタートした恋愛が、かなりの速いスピードで次の展開に進む可能性があるでしょう。またこの日より、海王星が魚座で最後の逆行を始めます(~12/8)。海王星逆行期間は大地震、水害、台風などの自然災害に、警戒が必要な時期です。常に避難への備えをしておきましょう。この時期は、ウイルス感染、食中毒にも注意が必要です。
6日7時57分には、蟹座で新月が起こります。この新月は、自分のホームグラウンド、居心地の良い場所を創ってゆくフェーズに入ります。出逢ったばかりなのに何故か懐かしい、家族同然の仲間のつつみ込むような愛に支えられ、素敵な下半期の予感で、満たされているかもしれません。日本では七夕の頃ですが、彦星と織姫の、ご縁の結び直しのチャンスの時とも言えるでしょう。
12日には金星が獅子座入り(~8/5)。今月はドラマティックな出逢いから恋の炎が燃え上がり、共通の趣味や趣向を通して楽しい会話や直な表現をやり取りすることで、ロマンティックな時間を過ごせそうです。
21日19時16分には、2度目の山羊座での満月を迎えます(バックムーン)。この時期は、自身がこれまで情熱を持って一生懸命に取り組んできたことに、何か新しい展開があるかもしれません。それは会社員ならば昇進、昇給といった喜びごとに恵まれたり、またはこれまでの経験を活かして起業したり、或いは有力なスポンサーを獲得できたりと、現実社会で成功するためのステップへと繋がりそうです。
そして同日には、火星が双子座に移動(~9/5)します。この夏はフットワークが軽くなり、未知の分野の本を紐解いたり、初めて会う人とおしゃべりをしたり、見知らぬ土地に足を運んで空気を吸うことで、新たな視点を得ることができ、そこから人生に変化が訪れそうです。好奇心の赴くまま、新しい体験をすることで、“生きながらに臨終を迎え、生きながらに蘇る”という言葉にぴったりな、人生の大きな転回点を迎える時となりそうです。
今年も、夏が再び、巡ってきました。今月は、私が10代の頃に感銘を受けた、ドイツの詩人・リルケ(1875~1926)が詩人志望の青年、フランツ・カプスに宛てた『若き詩人への手紙』の一節を再び、引きましょう。
「木というものは、自若として春の嵐の中に立ち、
夏はこれに続いて来ないかもしれぬというような心配はしません。
夏は必ず来ます。
しかし、夏は、あたかも目の前には永遠があるとでもいうように、
なんの懸念もなく静かにゆったりと備えている、
忍耐強い人々のところにだけ来るのです」
今から100年以上前、リルケが若き詩人に宛てた手紙の一節は、時を超え、現代に生きる私たちへの、温かい励ましの言葉のようにも思えます。厳しい春の嵐を耐え忍んだ木々は、この夏、優しい太陽の光を浴びながら、鮮やかな緑を燃やすことでしょう。
未来に向け、静かにゆったりと備えながら人生の試練に耐えた『TRINITY』読者の皆様におかれては、燃え上がるような友情と真実の愛につつまれ、人生の果実を味わえる7月となりますよう、祈念しております。
(了)