もうすぐ来るといわれる「水瓶座の時代」! それって、実際にはいつ来るの?~さまざまな説が入り乱れている~

水瓶座

「もうすぐ、水瓶座の時代がやってくる」……占いやスピリチュアルが好きな人は、そうした説を何度も見聞きしているのではないでしょうか。
なかには、「もうやってきている」と聞いた人もいるかもしれません。

「水瓶座」というからには、西洋占星術で示す時代、ということになります。
しかし西洋占星術の仕組みを知らない人が、どこからかの受け売りで、「水瓶座の時代が来る!」と言っている場合も多いようです。

それでは、この「水瓶座の時代」というのは、何のことなのでしょうか?
そして、いつ来るのでしょうか?

 

本当の「水瓶座の時代」とは、いつを差すのか

西洋占星術を学び出した25年以上も前から、「水瓶座の時代」という言葉は、私自身も知っていました。
さまざまな本を読んだために、その出典は忘れてしまいましたが、「水瓶座の時代」をひと言でいえば「地球の歳差運動によって少しずつずれていく春分点が、水瓶座を通過している時代」であるといえます。

「水瓶座の時代」がどの時期を差すのかということは、これ以外にもさまざまな人によって、複数の説が出されているようです。
しかし、最も基本的で正確といえる「水瓶座の時代」は、この歳差運動による時期であると認識しています。

そして、その春分点が水瓶座に入る時期は……なんと、今からまだ約300年も先なのです!

しかし、歳差運動は大変グローバルな動きです。
そのため、少しずつ少しずつ、水瓶座の時代に入ってきていると考えていいのではないか……という理由で、「そろそろ、水瓶座の時代だ」と、長くいわれ続けているようです。

つまり、○○年から水瓶座の時代ですよ! というような、くっきりハッキリとした区切りはないのです。
あるとしたら、今から300年程度先であるといえます。

 

春分点がずれていくメカニズム

歳差運動による春分点の移動について説明すると、長く複雑になりますが、ここでざっくりと説明しておきたいと思います。

地球の地軸は約23.5度傾いて、その状態でグルグルと1日1回転しています。
回っているコマの上に飛び出た、長い軸を思い浮かべてみてください。
コマの回転のスピードが下がると、首を振るように軸が上部で円を描き出しますよね。
これと同じように、地球の地軸を伸ばしてみたその先も、ゆっくりゆっくりと上部で小さな円を描いているのです。
これを、歳差運動といいます。

水瓶座

しかし、大きな地球であるだけあって、その動きは大変遅く、地軸の先が1回転するのに約2万5千800年もかかります。
そして歳差運動に伴い、春分点の位置は少しずつ星座間を逆行しながら移動していきます。
2150年程度かけて、春分点が1つの星座を通過することになります。

西洋占星術が出来上がった数千年前に、春分点を牡羊座の0度と設定して、12星座の起点にしました。
しかし、それから春分点は、大きくずれてしまっています。
今現在の春分点は、その頃の12星座でいうと、魚座の5度あたりにあるようです。

72年で1度動くといわれていることから、単純計算をすると、この春分点が魚座を出て水瓶座に入るまでには、今から300年以上かかる……ということになります。

 

それ以外の「水瓶座の時代」説

それ以外にも複数の「水瓶座の時代」説があるというお話は、昨年の春に占術家かつ占いバーのオーナーである、千田歌秋先生の講座で学ぶことができました。
すなわち、色々な人が色々な説を生み出しているようです。

一般的にいわれるもう一つの説に、「冥王星が水瓶座に入る時期」も挙げられているでしょう。
2021年は、木星と土星が水瓶座を運行します。そして冥王星は、2024年に水瓶座に入宮します。
そのことを、「水瓶座の時代」に入るタイミングとして考えている場合も多いようです。

そうすると、山羊座に木星と冥王星が入っている今現在は、「山羊座の時代」と呼ばなければなりません。
しかし、そう呼ぶ人はいないように感じられます。
今現在は「魚座の時代」と呼ばれているのが通説ですが、そのことを知る人は少ないかもしれません。

水瓶座

 

占術の一部が切り取られて脚色される昨今

昨今では難しい文章を読む人がグッと減り、「簡単!」「わかりやすい!」「すぐできる!」というものがもてはやされています。
ですから複雑な占星術の構成を学ぶ人は少なくても、「水星逆行」「新月のおまじない」など、単純明快なものだけが切り取られ、派手に脚色され、大きく広がっています。

東洋系の占術でいえば、「一粒万倍日」は縁起がいい! と、最近になって急にもてはやされているようです。
しかし、それが6日に1度はある、単なる「日支が○と△の日」であると知っていれば、それほど大騒ぎする気分にもならないでしょう。

少し話は脱線しましたが、「水瓶座の時代が来る!」というのであれば、せめてその根本について知っておいてもらえれば……と思う昨今です。

 

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