「意外と知られていないビートルズと瞑想の関係」 〜ビートルズとスピリチュアルな世界 その1〜

今でこそ、瞑想は「AppleやGoogleといった世界的な企業も採用する一般的なもの」となってきていますが、50年前には、まだまだ一部の人にしか知られていないものでした。そんな世界に迷わず身を投じたというのは、やはり彼らの「感性は常人とは異なっていた」のでしょう。

【伝説のバンド ビートルズ】

世界的に有名なロックバンド、ビートルズ。活動していたのは、今から50年以上前の「1960年代」だったにもかかわらず、その名前は現在でも世界的に知られています。その活動は「10年程度」にも関わらず、50年以上にわたって、その音楽が聴かれ続けているというのは、まさに「伝説のバンド」といっても過言ではありません。

2010年に、ビートルズのオリジナル楽曲がiTunesにてデジタル配信され、さらに2011年に配信された『ラブ』というアルバムは、iTunesのランキング1位を獲得するなど、現在でもその「音楽の魅力が衰えていない」だけでなく、彼らがライヴを行っていた時代のドキュメンタリーが今年公開されるなど、音楽だけでなくグループ自体への関心もまだまだ衰えていません。

 

【ビートルズと都市伝説】

50年以上たった現在でも、これだけの話題性を持つぐらいですから、活動していた当時はさらに多くの話題や伝説、さらには「都市伝説」まで産み出されました。その中でも、特に有名なものが「ポール・マッカートニー死亡説」。

ポールマッカートニーといえば、「2012年のロンドンオリンピックの開会式」に登場して、ビートルズの楽曲を歌った人物ですが、1967年にすでに死亡していたというのです。その根拠として、彼らの楽曲やレコードのジャケットがあげられました。有名なのは『アビイ・ロード』というアルバムのジャケットでしょう。現在でも、その構図を真似されることの多いジャケットです。

このジャケットでは、ビートルズの4人が横断歩道を渡っている写真が使われています。その中で、ポールだけが「裸足」であり、なおかつ、踏み出している足が一人だけ違い、他のメンバーはそれぞれ、「神父、葬儀屋、墓堀人」であり、唯一裸足のポールは「死体」だというわけです。陰謀論のようなこじつけですが、収録曲を逆再生するとメッセージこめられているという話もあり、この都市伝説は生きているメンバーが、逆にポール・マッカートニーとリンゴ・スターだけになった現在でもまことしやかに語られることがあります。

このように、たんなるロックバンドという枠を越えて、「神格化すらされている」感じのあるビートルズですが、彼ら自身はかなりスピリチュアルな世界に関心があったようです。イギリスのバンドであった、ビートルズですが音楽的にも文化的にもインドに非常に関心をよせていました。実際にインドを訪れたこともあるのです。

 

【インドで瞑想を学んでいたビートルズ】

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そんな彼らが1967年に「マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー」という人物に出会います。彼は現在でも伝わっている「超越瞑想」という瞑想法を指導していた人物。彼の講演会を聞いて影響を受けたビートルズのメンバーは、「全員でインドを訪れて瞑想の修行を行った」のです。現在では、その修行場は使われておらず、ほぼ廃墟のような状態となっていますが、熱烈なビートルズファンが訪れる観光地となっています。

ジョン・レノンだけは、マハリシとの確執から「セクシー・サディー」という曲で、彼の女癖の悪さを非難し、彼とは疎遠になりました。しかし、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターは現在まで、「40年以上にわたって瞑想を続けて」おり、超越瞑想のための慈善コンサートを開催するほど、瞑想の効能を実感しているのです。

超越瞑想からは離れたものの、「禅」というまた別の瞑想体系にジョン・レノンがひかれたということを考えると、ビートルズにとって「瞑想はとても大切なものだった」ことがわかります。芸術家としてのインスピレーションというよりも、世界的なロックバンドとしての「プレッシャーや、さまざまな悩みから心を平穏にするためのツール」として活用していたのでしょう。

今でこそ、瞑想は「AppleやGoogleといった世界的な企業も採用する一般的なもの」となってきていますが、50年前には、まだまだ一部の人にしか知られていないものでした。そんな世界に迷わず身を投じたというのは、やはり彼らの「感性は常人とは異なっていた」のでしょう。

 

次回は、そんな彼らの感性に強い影響を与えたというある「モノ」について紹介したいと思います。

 

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