出雲神で一番小さくても努力家!? 身体は小さくても心は大きい努力の神☆少彦名神2

『よく来たね。さあ、もっと近くへ……。』

少彦名神に与えられた試練のような階段を登り切った先には、眩しい光が照らす神門がありました。

 

第一試練には合格したようです。

(登り切ると空気が変わるな……。)

神社の参拝する度に思うのは、鳥居の一つ、神門の一つをくぐる度に空気感が変わる事です。
急に御神氣が強くなるのではなく、人の身体を御神氣に慣らすかのように徐々に濃くなり、それに伴って穢れが一枚一枚薄皮のように剥がされていきます。
それは、高貴な方にお会いする時のように、身支度を見えない世界で整えてくれているかのよう。
きっと、目に見える世界では同じ服装でも、目に見えない世界では私の服装は神代の正装へと変わっていたのでしょう。

心なしか、はたまた本当に見えない世界での服装が変わってるからか、私の歩き方も大股でズカズカと速足で歩くのではなく、長い衣の裾を踏まないように気をつけながら小股すり足で参道を進みます。
歩く度に、耳の横でシャラシャラと薄い金属が軽く立てる音もするので、豪奢な簪も刺してくださったのかもしれません。

(う~ん、この正装で写真取れたらいいのに~。)

などと、無理だと思ってはいてもそう思わずにはいられない、とても綺麗な装いにしてくださったのでしょう。
きっと、どの神社でも、参拝者をそんな風に神代の正装へと変え、神の前に皆頭を垂れるのでしょう。
女性なら綺麗にお化粧も施されているかもしれません。
神社に参拝すると歩き方も顔つきも変わって見えるのは、こういう理由があるからかもしれませんし、穢れが祓われて本来の魂の姿が押し出されて表へと現れ、綺麗に見え、立ち振る舞いも美しくなるのかもしれませんね。

私も、光溢れる拝殿の前へと向かい、しずしずと頭を垂れ、柏手を高らかに打ち鳴らし、ここへと招いていただいた感謝を心で述べました。

 

『よく来たね。さあ、もっと近くへ……。』

感謝を述べる私に少彦名神がお声をかけてくださいます。

(では、遠慮なく……。)

頭を上げながらニンマリとし、私は少彦名神が招く本殿へと向かったのでした。

続く。

 

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