エンジェル・セラピスト®夫婦のスピリチュアル子育てPART.44~赤ちゃんの存在がもたらす親戚関係の癒し(寛子編)

赤ちゃんの存在によって癒される
インナーチャイルド

赤ちゃんを見ていると、その純粋無垢な姿、大人がいないとどうにもならないほどの無力さと小ささ、動きの一つ一つなどに、思わず笑みがこぼれてしまう人も多いですよね。

「子育ては大変でしょう」という言葉をかけてくる人も多いですが、私にとっては「存在そのものが癒し」と感じます。確かに40歳を過ぎてからの高齢出産で、産後は体力・肉体的にも育児で大変なことは多々あります。しかし、赤ちゃんの持つ不思議な力に驚くばかりでした。

赤ちゃんの存在がもたらす癒しと言えば、この連載の潤治編にて「親のインナーチャイルドが癒される」過程を紹介する記事も多いです。
(参考)
エンジェル・セラピスト®夫婦のスピリチュアル子育てPART.41~自分を責める前に受け取ろう(潤治編)

潤治は癒されていないインナーチャイルドの問題を多く抱えていたためですが、とても分かりやすい赤ちゃんのもたらす癒しの例だと思います。

そして、赤ちゃんの癒し効果は目に見えない形でも波及し、私の親戚の何十年にも渡る不仲を癒してくれたのです。今日は、私の親戚の関係が劇的に改善した事例を紹介します。

娘・小葉がつないでくれた
家族の関係

私には、95歳になる祖母がいます。娘の小葉(このは)にとっては、曾祖母にあたります。
80代まで現役でテニスをしていたほど元気な祖母は、気がとても強く、子供の頃の私の記憶でも「やさしいおばあちゃん」というイメージはありません。そしてその気の強さから、同じく気の強い私の伯母(祖母の次女)と絶縁状態が10年以上続いていました。

セラピストである私の視点から見ると、それは伯母の「親に愛されていたということを確認したい」という気持ちの表れでした。

しかし、祖母の「子供たち5人、平等に育ててきた。同じように孫にも平等に接している。なのに、文句を言われる筋合いはない」という頑な態度に、愛情を確認したいという気持ちははねのけられてしまったのです。お互いの主張は、何十年も平行線でとなり、絶縁状態となったのです。そして伯母ほどではないのですが、私の母(祖母の三女)も、同じような感情を抱いていました。

私の祖父が倒れたときには一度関係が改善されたかに見えましたが、15年前に祖父が他界して相続の問題が出てきてからはその問題が再燃してしまいました。長男・長女を無意識に特別扱いする祖母の前に、「やっぱり私は、親に愛されていないんだ」という気持ちを強くした伯母と母。ある日、気の強い伯母は激しい口論の末、気の弱い母は泣きながら、「もう親は居ないのだと思おう」と訪ねた自分の実家を後にしたのです。

それから10年以上経ちました。
一人ではなかなか行く勇気が出ない母も、私を理由に行くことが出来るようになりました。
「元気だといっても、もう90半ばだしね……」と、このまま実母が他界したときに思い残しがあるのは嫌だと感じたようです。でも、行ってもまた何か傷つくことを言われるのではないか、という怖れと行ったり来たりしていました。
私が妊娠の少し前に出したCDを持って行ったことをきっかけに、母もたまに顔を出せるようにまで関係は回復してきていたのです。

そして小葉が生後6ヶ月の時に母を誘い、祖母に曾孫の顔を見せに行きました。祖母にとっては4番目の曾孫でしたが、他の子は年が離れていて10代後半~20代です。久しぶりに見る赤ちゃんに、「こんなに小さかったっけ、もう忘れちゃったよ」と言いながら、とても嬉しそうに歓迎してくれました。

帰りは、祖母と同居している伯父が、駅まで車で送ってくれることになりました。
赤ちゃん連れでなければこの流れにはならなかったのですが、その車中で親戚の近況の話になったときに、伯父から意外な一言が出てきたのです。
それまで実は、祖父の命日は毎年少人数で法事を行っていましたが、伯母(次女)と母(三女)には声が掛からず、実の親からのひどい仕打ちだと、伯母も母もとても傷ついていました。

伯父「今度の親父の命日、もし良ければ二人共おいでよ。お袋にも、ちゃんと伝えておくから」

伯父は穏やかな人で、気の強い祖母に逆らうことは一度もありませんでした。しかし、このまま親子なのに仲の悪いままでいることには、耐えられなかったようです。それまではもうどうしようもないと思っていた親戚関係のこじれでしたが、私たちが曾孫の顔を見せに行ったことで、親戚関係の癒しが始まったのでした。

赤ちゃんの存在は、目に見えない形でも癒しを届けてくれるようです。そしてそれは、奇跡とも思える出来事を起こすパワフルさです。

親に愛されているという実感が持てないままでいると、60代になっても、70代になっても……それは年齢に関係なく、癒されない・満たされない思いを持ち続けるのです。
歳を重ねるごとに素直に愛情表現をすることが難しくなることもありますが、赤ちゃんの存在はそれらを一気に溶かしてくれたのでした。