ホリスティック栄養アドバイザーMihoの“少しずつでもいいじゃない”Vol.5 食と心の関係

こんにちは。今、夏休みで日本に帰省しています。店員さんのサービスの良さや週末でも買い物のできる便利さを楽しみながらも、体は酷暑にこたえています。

同じ食事療法で治る人・そうでない人

今日は食と心の関係についてお伝えさせていただきます。みなさんは、体の不調や病などがきっかけで、健康になるための食事法を調べたり試したりしたことはありますか? 私のクライアントさんにも、本を読んだりしていろいろな食事法を知っているものの、それらを全てそのとおりに実行したら何を食べたらいいのか分からなくなってしまう、とおっしゃる方もいます。

例えばがん患者さんの食事療法として知られるゲルソン療法では、塩分の摂取をできる限りゼロに近づけますが、マクロビオティックではミネラルバランスの理想的な天然塩を厳しく制限しません。また、ローフードでは生食を実行し穀物の摂取を少なくしますが、マクロビオティックでは野菜類には火を通すことが原則で穀物(特に玄米)が食事の大きな割合を占めています。

このように、時に相反する部分のある食事方法のいずれかを実行しても、病が改善する人とそうでない人がいるのが事実です。つまり、玄米と火を通した野菜食を実行して治る人もいれば、生菜食を実行して治る人もいるのです。 みなさんの周りにいる、生き生きとして健康そうな人はどんな方でしょうか?どんな食事をしていますか?どんな生活をしていますか?そしてどんな心の持ち主ですか?

健康になるための食事法で、治る人とそうでない人がいるのは何故なのでしょう?
これは単純に答えられる問題ではありませんが、いくつかのポイントがあるといえます。まず1つめには、「その人の体に合っているのか」ということ。体質や病状に合った食事法というのは人それぞれ異なる場合があります。2つめには、「継続しているか」ということ。食事療法は即効性を望むものではありません。そして3つめには、「心は何と言っているのか」ということです。

健康になりたい、病気を治したい、という強い想いが、時に食生活をがんじがらめにしてしまうことがあります。そのような場合、「こうでなければならない」「こうしなければならない」「これはしてはならない」というストイックな心の状態が逆にストレスになってしまいます。果たして、そのような心の状態のまま食事法を実行して、本当に健康になれるのでしょうか?

食事に気を配る分の2倍、心に気を配ろう

健康になりたい方は、食生活に気を配るのと同時にその倍、心にも気を配ることを忘れないでください。 “病は気から”“心と体はつながっている”などと言いますが、例えばレモンを口に入れることを想像しただけで、体は実際によだれが出て反応します。日々の気持ちの持ち方が絶えず体に影響を与えているかもしれないということは、自然に想像がつくのではないでしょうか。心の状態は、体の健康にとっても何より大切なことなのではないかと私は考えています。

もちろん、だからといって心の状態がよければ食事をおざなりにしていいというのではありません。食事に気を配るときに、その倍心にも気を配ってほしいと思うのです。そして食事だけではなく、運動・休息についても食事と同じくらい気を配ること。これらのバランスが整うほど健康に近づけるというのはホリスティックな健康観でもあります。

大切なのは、そのままの自分をまずまるごと受け入れ認めて、一生懸命働いてくれている体に心から感謝することでしょう。その上で、改めるべき習慣は改めていく。そんなふうに健康への道のりを歩んでいけたらきっと何かが変わるのではないでしょうか。