夏と麦茶。その黄金コンビの理由は? 熱中症予防には常温で!

麦茶はなぜ夏に飲まれるのか?

毎日暑い日が続いています。気温が30度くらいだと、涼しいと感じてしまう今日この頃。人間の環境順応力の高さにも驚いてしまいますね。ところで、夏の冷蔵庫に欠かせない飲み物と言えば、そう「麦茶」です。子どもの頃から、染みついた習慣でしょうか。普段はハーブティーなどを愛飲していても、夏になると麦茶を冷蔵庫に常備したくなるのです。麦茶がなぜ夏に飲まれるかという理由には、その一つに麦茶の原料となる大麦の収穫期が初夏のため、できたての麦茶がおいしく飲めるというものがあります。いわゆる「旬」のものなんですね。野菜やフルーツも旬のものほど栄養もパワーも凝縮されていますから、夏の麦茶はそういった意味でも理に適っているのかもしれません。

ですが実はこの麦茶、あまりに当たり前に飲み過ぎていましたが、実は健康効果も凄かったんです。

体温を下げて血流をよくする麦茶

通常、血流をよくするためには身体を温めることが大切だと言われています。ですが、この麦茶が持つ作用はまず一つ「体温を下げる」こと。そしてもう一つが「血流をよくする」ことなんです。矛盾しているようにも感じますが、だからこそ夏に麦茶が好まれているのかも。麦茶が持つ独特の麦の香りの素は「ピラジン」という成分。これは血管内に血栓をできにくくする、いわゆる血液サラサラ効果を持っています。今年もすでに死者まで出てしまっている「熱中症」は、大量の汗をかくことで体内の水分量が減り、血液がドロドロになることで起こります。麦茶を飲んでいると、単なる水分補給ではなく効果的に血液をサラサラにすることができるのです。

さらに、熱中症対策として塩分も大きなキーワード。汗とともに塩分を始めとした血中のミネラルが休息に奪われると、体内の生理機能がうまく働かなくなってしまいます。実は麦茶にはカルシウムや鉄といったミネラルも豊富に含まれていて、さらに身体を冷やしてくれる作用があるので、熱中症を予防するためには麦茶がおすすめなのです。利尿作用のあるカフェインも入っていないため、胃腸への刺激もなく、時間帯や量を気にせず飲めることも大きいですね。

熱中症対策には、常温で飲むことも大事

汗をたくさんかいた後に飲む、冷たいドリンクは身体一気に冷えるような感覚がしてとても爽快です。けれど、冷たい飲みものを摂り過ぎると、内臓が冷え、弱ってしまいます。直接口に入れるものの温度は、ダイレクトに内臓を冷やします。積極的に温かい飲み物を摂る冬場に比べて、夏の冷えが深刻なのもエアコンの問題だけでなく、こういった要因も考えられますね。

麦茶は自宅でつくって冷蔵庫に常備してあることが多いので、冷えた状態で飲むことが多いですよね。常温保存では痛みも早くなってしまうので無理ですが、飲む時には冷蔵庫からコップに入れて少し常温に戻してから飲むようにするなど工夫しましょう。最近ではコンビニでも常温のお水を売るようになってきました。麦茶に限らず、家では温かいものを摂るようにしたり、工夫をして基本的な体力をしっかりつけておくことも熱中症対策には大切です。