「運命を変えるパワーフード」幸運の象徴【ザクロ】

幸運のシンボルフルーツ「ザクロ」

食べるもよし、飾るのもよし、身につけるもよし。女神アフロディーテも食べていた「幸運のシンボルフルーツ」のザクロ。ザクロは、ギリシャ、キプロスなどの地中海地域の一帯でさかんに栽培されている身近な果物です。

薄緑や赤・茶色の皮の下に、鮮やかなルビーのようなタネがぎっしりと詰まっています。キプロスにはルビーのような赤いザクロもあれば、透明な白いザクロもあります。 タネは甘酸っぱく、そのまま食べたりジュースとして愛されているほか、お菓子やカクテル作りに欠かせないグレナディン・シロップの原料としても有名です。

キプロスの結婚式では、花嫁を迎えた家の主が、床にザクロをたたきつけてタネを飛び散らせ、一族の繁栄や豊穣を願う風習があります。冠婚葬祭に欠かせないザクロ。実を割る行事が今でもキプロスの伝統として行われています。豊かで健やかな一年を願って行われます。

ザクロは、紀元前から女性たちのお守りとしてとても大事にされてきました。宝石のようなタネが、実りや生命をもたらす力があると考えられてきたからです。 一般的に幸運をもたらす品として親しまれていますが、結婚、子宝、仕事の成功を願う女性たちがザクロのアクセサリーを身に着けているようです。

地中海地域では、アフロディーテの果実と呼ばれるザクロの実が、豊穣と繁栄のシンボルとされ、多くの女性たちのお守りとして大切にされています。 小さな粒に大きな願いをこめたペンダント。結婚する娘に母親から贈られることも多いといいます。安産のお守りとしても知られています。

キリストが握る「ザクロ」

さて、アフロディーテの生まれた国のキプロスを象徴するルネッサンスの巨匠といえば、ボッティチェリの「ビーナスの誕生」は有名な絵でしょう。そのボッティチェリの作品に「ザクロの聖母」というのがあります。 聖母マリアと幼いキリスト、キリストの左手には、幸運のシンボルである「ザクロ」をしっかりと握っています。
キリストが天から永遠の命を授けられた神の御子であることが、ザクロによって表現されています。キリスト教の世界では、旧約聖書の時代から、ザクロが再生と永遠の命の象徴として、さまざまな物語や絵画などに登場しています。その背景には、キリスト教の誕生以前から、地中海地域の人々がザクロを命のみなもとと考えてきたことがあるようです。

話は、余談になりますが、旧約聖書のアダムとイブがエデンの園を追われた原因はリンゴを食べたとされていますが、リンゴは寒い場所の山辺りになりますので、旧約聖書の発祥地の場所は、ここキプロスと同じような自然環境ですから、実はザクロだったという説がここ最近の宗教学者の中で議論されているようです。幸福のシンボルをあなたも食べたり、飾ったり、身につけて、幸せになって下さい。

“ザクロを食べると妊娠しやすい”は嘘?

ここでミニ知識。どうして「ザクロ」を食べると妊娠しやすいと言われているのでしょうか? ザクロを食べると「子宝」に恵まれると言われる理由は、ザクロの中には女性ホルモンのエストロゲンが含まれていると考えられているからです。エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれ、卵の成長を助け子宮内膜をフカフカにするなど、排卵に大きく関わる女性ホルモンです。

しかし最近になって、ザクロにはエストロゲンが含まれていないことが発表されています。これによって、ザクロと妊娠を結ぶ「医学的根拠」はなくなりました。しかしザクロにはエストロゲンは含まれていないが、それに似た成分が含まれているとする専門家もいて、ザクロと妊娠との関係を完全に否定はできないようです。

妊娠以外にも、ザクロの効能は、更年期症状の緩和や成人病の予防をはじめとして、めまい、ほてり、発汗異常、美容、老化予防、骨粗しょう症予防、尿路結石などを改善、血液の浄化などがあげられます。最近では海外産のザクロジュースも安価で出回っています。

私の亡くなった母はある日、突然『紫斑病 』になりました。160センチの身長で体重は40キロ前後で痩せた身体でしたが動き回るのが大好きだった母はザクロジュースが大好きでよく飲んでいました。

お医者さまには病院で検査をして頂いた数値を伝える際に「あなたはすでに死んでいてもおかしくない!」と言われながら、ニコニコしていました。私が思うには、このザクロジュースを飲んでいたからに違いない、と亡くなってから思いました。数年前だったと思いますが、ザクロは男性にもよいということをご存知の方も少なくないでしょう。

ザクロは前立腺ガンに劇的な効果があると、名古屋市立大学の教授が研究によって明らかにされたからです。どんな実験がなされたかというと、前立腺がんの初期のがん細胞を培養し、ザクロ果汁にそのがん細胞を入れて反応を見るというものです。その実験によると、ものすごい結果が出たのです。

それは、濃度5%のザクロ果汁の溶液にそのがん細胞を入れてみると、なんとわずか30分で激しい反応を起こし、がん細胞が死滅するという結果が得られたそうです。天然物質の中では前立腺がんにこれほど強く作用するものは他に例がないというものすごい結果らしいのです。

この実験の今の段階では、未だどの成分によってこのように前立腺がんのがん細胞を死滅させたかは研究過程なのですが、これがわかれば前立腺がんの予防や治療への応用が期待されています。それだけでなく、ザクロの効果は最近では、男性の精液の濃度を高めることや、アルツハイマー、パーキンソン病の予防と治療に有効であることもわかってきています。男性にとっても実に希望的な果実だと言えるでしょう。以前に地中海の3大ビタミンのお話をしましたが、石榴も意識して食べるようにすると健康にも美容にも良さそうですね。

【超簡単ザクロとベビーリーフサラダ(二人前)】
・ザクロ 一個
・ベビーリーフ 一袋
・くるみ 適量

<ドレッシング>
・ザクロの絞り汁 半個分
・塩 ひとつまみ
・ビネガー 大さじ1杯(レモン汁でもOK)
・オリーブオイル 絞り汁の倍量

作り方
1.ベビーリーフを皿に盛り付ける。ザクロを半分に切り、切り口を下に向けながら棒などで叩き身を直接叩き出す。
2.半分のザクロは軽く叩き出して、手で潰して汁を絞り出す。
3.くるみはフライパンで香りが出るまで煎る。
4.絞り汁に分量の塩、ビネガー(レモン汁)、オイルを入れて混ぜる。塩、酸味の微調整をする。
5.食べる直前にドレッシングとくるみを混ぜて食べる。
※フェタチーズがあれば、サラダの上に乗せて下さい。