口腔からできる5つのコントロール PART.3~呼吸のコントロール

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フローラのコントロール
呼吸のコントロール
言葉のコントロール
食事のコントロール

今日は呼吸のコントロールのお話です。

先日はフローラのコントロールのお話をしましたが、これとも大きな関わりがあるんですね。空気の出入りなんです。医療ってのは「口腔」「胸腔腹腔」と繋がっているのに分化してしまっているんですね。「口腔と鼻腔」「咽頭腔」ですら耳鼻科と歯科にわかれてしまっています。胸部では呼吸器外科と心臓外科、循環器内科、呼吸器内科、骨は整形外科……ばらばらですね。どんなに頭の良いお医者様でも、胸しかみていなければ胸しか見えません。人間の身体は連動しているのです。我々の考えでは口腔から肺や心臓。それから自律神経をコントロールしていこうというものです。

呼吸の場合は横隔膜が大きな役割をし、それだけではなく胸郭全体が広がったり狭くなったりしながら呼吸しています。良く呼吸するには肺が大きくふくらみ、胸郭が大きくなる必要があります。横隔膜もよく下がる必要があります。横隔膜がよく下がるには横隔膜がよく上がっている必要があります。理想的な呼吸法では、胸郭がよく広がり、横隔膜が柔らかくよく上がった状態です。その為には、身体全体の筒が広がる必要があります。

我々が私立岡崎病院の救急救命センターでやっていた心不全の治療は、胸郭に圧を加え物理的に肺を広げ、肺の酸素化と二酸化炭素排出=ガス交換をスムーズにします。それとともに、心臓の周りにある肺に圧をかけ心不全で広がった心臓を物理的に縮め、中心静脈圧と心臓の周りの相対的な圧を下げるというものです。肺内圧と大静脈の圧=中心静脈圧は拮抗するのです。胸郭が広がれば肺も心臓も動きやすくなります。胸郭が広がり筒状になれば力学的にも安定します。姿勢が良くなります。胸郭が広がり一回の呼吸量が増えれば、副交感神経優位になります。逆に姿勢が悪いと胸郭が潰れ一回呼吸量が減り、数で補うために呼吸の回数が増え、交感神経優位=緊張状態になります。緊張状態になればますます筋肉が収縮して胸郭が狭くなります。負のスパイラルに陥ります。
人間の身体は巾着袋のようになっているので胸郭から広げることはできません。巾着の入り口のヒモをほどいて広げ、初めて巾着袋は広がります。靴ひもでも同じですね。靴ひもの結び目をしばったまま 足のこうの部分を広げようとしたって無理ですし、そればかりでなくその部分のヒモをひっぱれば他が締まってしまう。筋肉は筒を靴ひものように連続しながら連携しながらジグザグに取り囲んでいます。胸郭や腹腔は口腔から緩めるしかないし、口腔から緩めることができるようになっています。

 

 

胸郭を広げれば呼吸が改善します。胸郭を広げることによって肋骨が提灯状に広がり、バストは上げ底になります。多くの人は持続的筋収縮によって胸郭が潰れた状態にあります。バストが下げ底になってしまっているのです。胸郭を広げるだけで心臓肺の動きが良くなるだけでなく、声帯の動きも良くなり声も出やすくなります。原因不明の声が出なくなることがありますが、一般の人も声が出やすくなります。これもさとう式間質リンパケアで良くなることが数多くあります。多くが物理的な問題なんですね。
さとう式間質リンパケアは、物理的なアプローチ、力学的な解釈によって成り立っています。呼吸法の改善によって自律神経も胸郭も膨らみ、横隔膜の動きによって内蔵の動きも良くなります。呼吸法はとても大切ですが、良い呼吸法というと必ず腹式呼吸ということになります。腹式呼吸は悪い呼吸法ではありませんが、折角の胸郭を使わないのでとてももったいない呼吸法です。呼吸法では、胸郭下部と腹腔上部を一緒に身体の前後に広げる横隔膜呼吸がとても良いです。難しいなら、胸郭下部で息を吸い 腹腔上部から息を吐く呼吸法でも良いでしょう。いずれにしても口腔から広げていくと大胸筋がゆるみ、腕が外旋し肋骨の形もかわって胸が一気に広がります。胸郭を徐々に広げる練習よりさとう式間質リンパケアをおこなって 胸郭を一気に広げてから行ったほうが効率が良いです。

そうやって考えると、胸郭を広げるさとう式間質リンパケアをやらないで呼吸法を改善しようとしたり、肺や心臓の機能を改善させようとするのはナンセンスですね。さらに肺や心臓の環境を整えないで 薬で機能を改善させられると考えること自体、何だか医療の驕りであるように思えてなりません。口腔内が狭いまま、機能が低いまま、肺や心臓の動きが悪いまま、環境を整えないまま、肺胞だけ広げる薬を与える。心臓にむち打つ薬を与える。そしてその薬には副作用がある。私は薬を否定するわけではありません。救急救命センターでは薬は使います。しかし医療では不必要な薬が使われすぎています。必要な薬は使う、不必要な薬は使わない。絶対に薬を否定しない。それが私のスタンスです。

学校教育では胸郭をこれ以上無理というほど潰してしまう。立てない子供を量産している。歩けない子供達を量産している。幼稚園は送り迎え、胸郭を潰す体勢での携帯ゲーム機……。環境が悪ければ 口腔内のフローラが悪くなる 肺や心臓、内蔵のフローラが悪くなり、病気が進行していく。学校の先生もお医者様も一生懸命なんだろうけども……こうやって考えると、医療も教育もデタラメな部分が多いですね。すべてデタラメといっているわけではありませんよ。でも一番大切な部分がとても疎かにされています。

呼吸のコントロール、とても大切です。 胸郭を広げ腹腔を広げ、背筋を張らないで力を抜いて姿勢を良くする。心臓と肺の働きを良くするフローラをコントロールしていく。自律神経をコントロールしていく。そこに少しだけ目をむけてもらえればついでにバストアップしウエストダウンし 若くなって病気にならなくなってしまいます。さとう式のインストラクターに、ぜひ呼吸法を教えてもらってください。

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