アリソン・デュボア連載 2009年6月

死者と交信できるという特別な霊能力を用いて、犯罪捜査などにも協力するというアリソン・デュポアさん。彼女の人生をドラマ化した海外ドラマ「ミディアム」は、日本でも話題となっています。その一方で、私生活では妻であり3人の子どもをもつお母さん。霊能者として、母として妻として。パワフルに活躍するアリソンさんからのメッセージをお届します。

6月はジューンブライドの結婚式や、父の日の行事などがある楽しい季節ですよね。わたしの父マイクは6年と9カ月前に他界しました。世の中の色々な物事と父の面影が重なるたびに、父のことを思い出します。父は「死」以上に恐れているものはありませんでした。なんだか皮肉ですよね。ミディアムとして、父が今でもわたしや娘たちのなかで生き続けていることがわかります。そして彼がわたしたちに話してくれた楽しかった思い出や彼のフレンドシップなどは永遠に語り継がれていくのです。娘たちはよくおじいちゃんについての話を聞きたがります。私は「橋渡し役」として彼女たちに色々とお話をしてあげます。が、不思議なことに娘たちは皆、おじいちゃんがどんな人間だったかを自分たちの記憶をたどって説明できるのです。彼が亡くなった時、一番下の娘は3歳だったにもかかわらず・・・・・・・。父のことを思い出すだけで涙がでそうですが、父は私にもっと楽しい思い出話をして笑顔になってほしいと願っているはずです。ここで一つ父らしいキュートな思い出話を皆さんとシェアしたいと思います。ある日、父は長女オーロラを連れて、トイザラスに出かけました。夫のジョーとわたしは、あとから二人に会うためにトイザラズに向かいました。店に入ると、そこにはひとりぼっちの父を見つけました。「パパ!オーロラと一緒じゃなかったの?」と私がびっくりすると父は、「大丈夫、ちゃんとオーロラを見てるよ」と笑いながら答えました。「え? いったいどうやって?」…… 彼は天井近くを指差しました。商品棚の向こう側で、赤い風船がポンポンと空中で弾んでいました。「風船を手首に糸で結んであげたのさ。彼女が迷子にならないように遠くからでもすぐに見つけることができるし、彼女自身で考え、行動させるのは大事なことだろ、フリーダムだよ」と父は言いました。一見、非常にシンプルなやり方に見えますが、なんとブリリアントな方法でしょう! そして父はなんとユーモアにあふれた人でしょう! 彼は父親であることや祖父であることが大好きだったのですね。私の父のために、そして何よりも最高な父親であり夫であるジョーのために、「Happy Father’s Day!!」 父親という存在は愛や安心をあたえる最高の存在です。 全ての人に、そして全ての父親たちに捧げます!

日々創造的な人生を!アリソン・デュボア

【Profile】

Allison Dubois アリソン・デュボア
1972年1月24日、米・アリゾナ州フェニックス生まれ。6歳の時から、死者の声が聞こえたり、彼らのビジョンを追体験するなど、霊能力を芽生えさせる。地方検察官を目指し、検事局でのインターン中に、霊能力を使って事件捜査に協力を始める。以降、数々の事件に尽力・功績をあげてきた。彼女の霊能者としての人生をドラマ化した「ミディアム」は、主演のパトリシア・アークエッドがエミー賞にノミネートさせるなど高い評価を受けている。日本でもwowowにて放送中。DVDレンタルはシーズン1のvol.7まで。9/21にはシーズン1のコンプリートBOXが発売される(パラマウントホームエンタテインメント)。 著書/アリソンさんが、ミディアムという存在を通して伝えたいメッセージが凝縮された2冊。 「あの世から届く愛のメッセージ」(1,680円)、「愛する人の霊はいつもあなたのそばにいる」(1,785円)以上徳間書店

 

Photo: Tomoko Tominaga