ZENってなぁに?

日本人ですと、このように少し説明すれば禅のイメージから、こうしたことを理解するのは比較的簡単ですが、海外ではあまりにも「ZEN」というフレーズが人気となってしまったために、さまざまな誤解が生じて、この言葉自体も「日本とは違った使われ方」をしています。

【海外で通用する日本語「ZEN」】

私たち日本人は、海外の人に「ZEN」と言われれば、脳内で「禅」と変換することができます。そして、理解の幅はあるものの、仏教の宗派である「禅宗」か、もしくは禅宗で行われる「坐禅」をイメージすることでしょう。

 

【禅宗と坐禅】

厳密にいうと、禅とは「禅宗」自体をあらわしており、坐禅はその中で行われる修行法のひとつです。禅宗には「不立文字」という言葉があります。これは、「体験によって得たものこそが真髄である」という意味であり、悟りを得るためには「文字を通してではなく、自らの体験が大切」ということになります。

また、曹洞宗には「只管打座」という言葉があります。これは、「只ひたすら座る」。すなわち、「ひたすら坐禅を行うことで悟りを得ることができる」という意味です。こちらは、従来の禅宗で悟りにいたるための課題として与えられる、なぞなぞのような問題である「公案」に対してのアンチテーゼ的な意味合いもありますが、禅の本質というのは、「悟りを得る」ことであり、そのためには「坐禅」をひたすら続けて、自らで悟りを体験する必要があるわけです。

 

【日本と違った「ZEN」の理解】

日本人ですと、このように少し説明すれば禅のイメージから、こうしたことを理解するのは比較的簡単ですが、海外ではあまりにも「ZEN」というフレーズが人気となってしまったために、さまざまな誤解が生じて、この言葉自体も「日本とは違った使われ方」をしています。

たとえば、「和風でスピリチュアルな要素をもったものすべて」を「ZEN」とする場合もあります。よく見かけるのは「ZEN GARDEN」という言葉でしょう。日本人的にはお寺にある「石庭」をイメージしますが、海外の場合は和風の庭であれば、すべてのZEN GARDENと表現することが多いのです。また、仏教的な要素を「ZEN」とすることもあります。宗だけでなく、真言宗も、日蓮宗もすべて「ZEN」でくくられるわけです。

 

【熟語になるとなおさら不思議な「ZEN」】

このあたりは、若干誤解が入ってはいるものの、まだ理解できる範囲ですが「ZEN」という言葉自体が、「精神性を現す言葉」だと考えている人も多いようで、「You need to try to be more Zen!」は「あなたはもっと動揺しない精神を身につける必要がある」というような意味合いになりますし、「Go Zen!」で「無心になって」「頭空っぽにして」というような意味合いで使ったりもしているのだそうです。

ここまで来ると、かなり「通常の禅の概念からはかけはなれてしまっています」ので、海外できちんと禅を学んでいる人は、その本質について「Mindfullness」というように表現することも増えてきているようです。この方が言葉的に意味が通りやすく、また、「ZEN」が禅宗であり、それを学ぶ事で「キリスト教の教義に反するのではないか」というような疑念をもつ人たちにも、アピールしやすいという理由もあるようです。

スピリチュアルな世界では、最近になって「マインドルフルネスが話題」となっていますが、その根源ともいえるのは、「坐禅」であり、その本質は、「瞑想というだけでは、ちょっと語弊があるものです」、だらこそ、興味がある人は瞑想との違いを体験する意味でも、一度坐禅を行ってみることをオススメします。

 

Meaning of the word of “Zen”.
Original Zen and overseas Zen.

 

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魂と体を繋ぐ一本の紐